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働く日本人女性が語る自国文化への理解を深める方法

雨の日に道路を渡る女性たち。2021年6月4日、東京。(AFP)
雨の日に道路を渡る女性たち。2021年6月4日、東京。(AFP)
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05 Jun 2021 09:06:27 GMT9
05 Jun 2021 09:06:27 GMT9

ナデル・サムーリ

大阪:「外国のほうがいい」。特に中東の多くの国の人々が繰り返している決まり文句だ。

とはいえ、外国生活を経験しに行った人が結局は帰国し、地元の人が気付かない、当たり前だと思っているその国の良さを思い出させることは多い。

働く日本人女性、アカサカ・ミホ氏は日本で家族旅行大使プログラムを設立した。過去にドイツと米国に住んだ経験があり、ヨーロッパとアジアを中心に、世界中の国を旅してきた。

外国で暮らしているときに、アカサカ氏は日本人と外国人のコミュニケーション方法の違いに気付いたという。

「(外国での)体験で分かったのは、日本の人々は失礼にならないようにと考えるあまり、特にビジネスの場において間接的で的外れなコミュニケーションをしてしまうということでした。ビジネスの場には『根回し』も必要で、日本女性にとって悩みの種になっています」とアカサカ氏は語った。

「根回し」の「根」は根っこ、「回し」は回すことを意味し、根の周辺を耕して回るプロセスを指す。事前の確認または承認を非公式に確保しておこうとする日本ならではの商慣習だ。例えば、男性は仕事の後に連れ立って飲みに行き、会社やプロジェクトに関わる女性の意見を無視して間接的に重要な合意をしたり、プロジェクトの変更を決めたりする。

アカサカ氏はアラブニュース・ジャパンに対し、海外に住み、旅をしてからは、日本をもっとありがたく思うようになったと語った。

「清潔さ、時間の正確さ、一流のクオリティのサービスなど、日本の良いところをもっと意識するようになりました」と彼女は説明した。「どの国にも良い面はありますが、中国のトイレにはショックを受けましたし、ドイツでは高校の間に進路が決まってしまうことを知って驚きました。インドネシアの交通渋滞を見て秩序正しい日本に感謝し、米国に行ってからは日本の治安の良さをありがたく思うようになりました」。

最後にアカサカ氏は大事なことを付け加えた。

「世界の多様性は実に素晴らしく、どこがいいと決めるのはとても難しいです。どの場所にもプラス面とマイナス面がありました。それも、幸い目にするチャンスが与えられたことに限られます。結局、人の心は同じだと気付きました」。

比較は厄介ごとであり、それ自体が「かすかなパンデミック」なので、あえて議論しない場合が多い。よく考えずに判断すると、外国や、見慣れない態度や、他の人々に対して誤った評価を下すことになりかねない。偏見、恐怖、嫉妬、自尊心、そして不安を持った人は主観的な幻想にとらわれやすく、異なるものを疎外し、架空の現実をつくりあげてしまう。

オランダ育ちのソマリア人モハモウド・ユスフ氏は、現在は移住したロンドンとエジプトの間を行き来して暮らし、これまでに35か国以上を旅してきた。彼は、世界のすべての国を旅した最初のソマリア人になることを目指している。ユスフ氏はグローバルな視点から次のように話した。

「ロンドンの秩序は素晴らしいと思います。汚職が比較的少なく、警官に会うたびにゆすられるのではないかと恐れなくていい社会は貴重だと思いました」。

英国以外の国で暮らしている多くの人は、たいていこの指摘に即座に同意する。なかなかできないことだが、コインの裏側に目をつぶれるようになるのだ。

「英国のコインの裏側は陰鬱な天気です。ほぼ1年中、冷たい雨が降っています。生活のペースが非常に速く、誰もがストレスを感じながら仕事だ、用事だと走り回っています。メンタルヘルスへの影響も大きいです」とユスフ氏は言った。

例えばエジプトの人は「外国人」、中でも先進国の人たちのほうがいい暮らしをしている、と文句を言ったりする。ところが、エジプトに住んだユスフ氏はあることを知った。

「食べ物は美味しいし、ロンドンと比べて生活がずっとゆったりしているので、ここで暮らしているとくつろげます。何よりも、エジプトは三大陸の中心という戦略的に優れた位置にあり、アフリカ、ヨーロッパ、アジアを旅して回るには非常に便利です」。

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