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サウジの慈善家、アフリカ孤児の希望の光となる

56歳の慈善家は、ウガンダに小さなオフィスを構え、現在子ども約10,600人のほか、7,400家族の面倒を見ている。アル・ガムディ氏はそのほかにも、アフリカ大陸数か国で孤児院20軒、学校5校、病院1軒、診療所1軒を運営している。(写真/提供)
56歳の慈善家は、ウガンダに小さなオフィスを構え、現在子ども約10,600人のほか、7,400家族の面倒を見ている。アル・ガムディ氏はそのほかにも、アフリカ大陸数か国で孤児院20軒、学校5校、病院1軒、診療所1軒を運営している。(写真/提供)
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23 Aug 2021 03:08:40 GMT9
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  • 「孤児の父」とも呼ばれるアリ・アル・ガムディ氏は、10,600人の子どもたちと20軒の孤児院の面倒を見ている

サーレハ・ファリード

ジェッダ:アフリカでは多くの孤児が貧困に苦しみ、不幸な状況に直面しているが、この問題に簡単な解決策はない。だが、一人のサウジ男性が、恵まれない人々の生活を少しでも向上させようと全力を尽くしている。

助けられた家族や村人たちから感謝の気持ちを込めて「孤児の父」と呼ばれているアリ・アル・ガムディ氏は、貧しい孤児の福祉に人生の大半を捧げ、子どもたちがより明るい未来を掴むことができるよう力を注いできた。

この56歳の慈善家は、ウガンダに小さなオフィスを構え、現在子ども約10,600人のほか、7,400家族の面倒を見ている。アル・ガムディ氏はそのほかにも、アフリカ大陸数か国で孤児院20軒、学校5校、病院1軒、診療所1軒を運営している。

私は何の見返りも求めません。孤児たちを幸せにしてあげたいだけなんです。

アリ・アル・ガムディ

アル・ガムディ氏はアルバハで生まれ、ジェッダで育った。育った環境は、決して恵まれていたとはいえなかった。2001年に自分の人生を慈善活動に捧げようと決意し、特に、人種、肌の色、宗教的背景を問わず、あらゆる子どもたちの支援に力を注ぐことにした。

アフリカの孤児たちを支援する活動を始め、子どもたちの苦しみ、特に幼児が直面している問題について声を大にして語ってきた。

アル・ガムディ氏はアラブニュースのインタビューに答え、自分が恵まれない人々のために働く人生を選んだのは、クウェートの慈善家である故アブドゥル・ラーマン・アル・スマイト氏に強く影響を受けたからだと語った。

家族と過ごすために今週帰国したアル・ガムディ氏は、次のように語った。「アフリカにおける新型コロナの感染状況にもかかわらず、私たちは活動をやめていません。コロナ禍により飢饉や餓死が発生しています。アフリカはコロナ前からこうした飢饉や餓死に苦しんでいましたが、コロナの蔓延により、生活はさらに混乱を増しています」

さらに、「子どもたちや家族の皆さんを助け、支援する努力を続けてきましたが、今のところは食料と医薬品に力を入れています。困っている人たちに相当量の食料を届けられましたし、マラリア用の医薬品もかなりの割合で届けることができました」と語った。

アル・ガムディ氏は、孤児院で社会から隔離されて育っている幼児たちがどんな問題を抱えているかについて知ったことがきっかけで、慈善活動に乗り出したという。

「文化や孤児の世話について、情報収集を始めました。必要な情報を得た後、学んだことを実行しようとアフリカへ向かいました。なぜアフリカなのか?貧困、伝染病、そして災害の多い大陸だからです」

人の苦しみを目にながら休むことなどできない、できる限りのことをしなければならないと、気遣いを金銭面だけでなく肉体作業を要する行動にも移しており、物資の手配、学校や医療施設の建設、料理や掃除、道徳観の指導などを自ら積極的に行っているという。

「私は何の見返りも求めません。孤児たちを幸せにしてあげたいだけなんです」とアル・ガムディ氏は言う。

自分が落ち込んでいるときには、いつも妻がそばにいて支えてくれている、と付け加えた。夫婦の間には13年間子どもができなかったが、今では男の子1人、女の子3人、全部で4人の子どもの父親となった。

長年の努力と苦労の末に、アル・ガムディ氏の活動には徐々に注目が集まるようになり、その努力が世間から認められるようになった。

2018年には、3万ドル相当の「Shining World Compassion Award」を受賞した。その2年後には、外部からの経済的支援を受けずにアフリカ各地の孤児を支援したことが認められ、第3回「アラブホープメーカーズ賞」の授賞式において、UAEの副大統領兼首相であり、ドバイの統治者であるシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下から27万2,000ドル以上を授与された。

 

ウガンダで孤児として育ったハッサン氏とシャリファ氏の卒業式で、2人と一緒にポーズをとるアリ・アル・ガムディ氏。(写真/提供)

受賞金はすべて困っている人のために使うことにしている。アル・ガムディ氏が助けた孤児の中には、弁護士や医師として成功を収めた人も多い。

「私たちは子どもたちが学校に行けるよう準備をしましたし、必要な支援も与えましたから、学校でも自分は同級生と同等だと感じられたのだと思います」

恵まれない人々に力を与えようとアル・ガムディ氏が一生をかけて行ってきた活動の恩恵を受けた子どもたちは、今では大人になり、希望の光となっている。アル・ガムディ氏が運営するウガンダの孤児院で育ったハッサン氏とシャリファ氏は、ウガンダ・マケレレ大学で医学を学び、2021年6月に卒業した。

アル・ガムディ氏はアラブニュースに対し、時には困難なときもあるけれども、自分の選んだ人生を後悔したことは一度たりともないと語った。

「通りや市場、ショッピングモールを歩いていると、多くの人が集まってきて、助けを求められたり、一緒に写真を撮りたいと言われるんです。そうしたことが嬉しいとは言えません。ですが、気がつくと誰に対しても応対しないといけない立場になっていて、あっという間に一日が過ぎてしまうのです」とアル・ガムディ氏は語った。

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