
ニューヨーク時事:テニスの全米オープン女子シングルス3回戦で3日、2年連続3度目の優勝を目指した大坂なおみ(日清食品)が、世界ランキング73位の18歳、レイラ・フェルナンデス(カナダ)に敗れた。試合後の記者会見では「最近は勝ってもうれしいと思わず、ほっとする。負けたときはすごく悲しくなる」と訴え、涙を流した。四大大会4勝を誇る世界3位。精神面のもろさをのぞかせる試合だった。
相手は苦手意識のある左利きの新鋭。第2セット終盤までは、持ち前の力強いショットで隙のない試合運びを見せていた。しかしミスを重ねて6―6に追い付かれ、タイブレークに入ると冷静だった表情が一変。いら立ちに任せてラケットを2度地面にたたきつけ、観客から大きなブーイングを浴びた。最終セットでは相手のポイント後、ぶぜんとした表情でボールをスタンドに打ち込み、警告を受ける場面も。会見では「最近は思い通りにならないとすごく不安になる。本当にごめんなさい」と反省を口にした。
大会前にはSNSや会見で、「自分と自分の成果をもっとたたえたい」「ありのままでいい」と気持ちの変化を表明して臨んでいた。精神面の負担を理由に記者会見を拒否した全仏の姿勢を改め、敗戦後でも取材には応じた。ただ、現在の心境を問われると声を詰まらせ、「しばらくプレーから離れて休みたい気持ち」と休養を示唆した。
昨年の全米と今年2月の全豪を連勝し、確固たる強さを印象付けたかに見えた。しかし全仏や、ウィンブルドン選手権の期間を休養に充てて臨んだ東京五輪は敗退。今季最後の四大大会で後味の悪さを残した。
時事通信