東京:村上春樹氏のファンは、この日本人作家の小説、スクラップブック、レコードなどの膨大なコレクションを、東京の彼の母校で22日にお披露目された広々とした新しい図書館で見ることができる。
72歳の村上氏は、日本の最も有名な作家の1人で、現代生活の不条理と孤独を緻密に描いた物語は世界的なベストセラーとなっている。
来週、早稲田大学でオープンする同氏の作品に特化した図書館では、彼のミニマリスト的な仕事場のレプリカやカフェ、ラジオスタジオまでが特徴となっている。
「正直に言って、このようなものは私の死後に作ってもらえればよかったのにと思っています」と、記者団が施設の案内を受ける中で、村上氏はジョークを飛ばした。
「生きているうちに完成してしまったので、少し緊張しています。もし、私が犯罪を犯したら、どうなるでしょう?早稲田には多大な迷惑をかけることになります」と、作家でジャズの熱狂的な愛好家の同氏は語った。
村上春樹ライブラリーのアーチ状の木製インテリアと独創的な白いファサードは、今夏のオリンピックで使用された東京の国立競技場も設計した著名な建築家、隈研吾氏の作品だ。
「早稲田大学国際文学館」という正式名称の同ライブラリーは、10月1日に開館し、当面は村上氏の小説、エッセイ、インタビュー、村上氏に関連するその他のテキストに重点を置く。
ここは、50年前に作家の彼が学生生活を送っていたキャンパス内の既存の講義棟を改装したものだ。
ネイビーのジャケットにマスタードイエローのTシャツを着た村上氏は、過激な学生運動の時代に、本を読み、授業をサボっていたことを振り返った。
「この施設が、学生たちが自由にアイデアを出し、具体的なプロジェクトとして立ち上げていく場所になることを願っています」と、同氏は語った。
将来的に、他の作家の本も書架に追加される予定で、「幅広い、流動性のある研究スペースになることが私の願いです」と、同氏は付け加えた。
AFP