






6日間開催される世界最大の柔術大会、第13回アブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術選手権(ADWPJJC)の3日目には、マスター部門の選手たちが中心となり、激しいぶつかり合いを披露した。
「柔術は、アブダビやアラブ首長国連邦で盛り上がりを見せているスポーツで、アブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術選手権は世界中から最高の柔術家を集めることに成功した。今日、その素晴らしい選手たちは、マットの上でその豊富な経験を見せてくれた」と、UAE柔術連盟のファハド・アリ・アル・シャムシ事務局長は語った。
アル・シャムシ事務局長は、マスター部門で金メダルを獲得したUAEのハイサム・ハナウィ選手とモハメド・アル・シェヒ選手を称え、この大会の組織としての効率性について強調した。また、2日間のマスター柔術選手権で銀メダル6つ、銅メダル3つを獲得したUAEの選手たちの功績も称えた。
「UAEでは、UAE柔術連盟を通して、最高の国際基準に基づいて最高レベルの大会を開催することを目指している」と、アル・シャムシ事務局長は話した。
「今日、私たちが目の当たりにしているのは、大会に並外れた成功をもたらし、世界中から4000人以上の選手を受け入れることを可能にした組織の効率性だ。これは、我々にとって大きな誇りであり、この成功に貢献してきたすべての人たち、特に連盟のパートナーの皆さんに感謝したい」と、アル・シャムシ事務局長は付け足した。
アブダビは「世界のUAE首都」と呼ばれ、マスター選手権に参加する選手の多さにより、柔術の人気を世界的に高めたといわれている。
ブラジルのペドロ・ドゥアルテ選手(46歳)は、マスター4黒帯94kg級で金メダルを勝ち取った。
「今では柔術は文化の一部となっているのは素晴らしい。アブダビは間違いなく世界の柔術の中心地だ。若手選手の試合を見てきたが、今は国内外の黒帯の選手仲間を見ることができる。人気は幅広い。どんどん柔術が知られていくのを見るのは嬉しい」と、ドゥアルテ選手は語る。
「柔術が世界中に広がっているのはアブダビとブラジルのおかげだ。この国は非常に柔術に力を入れており、その影響を世界中で見ることができる。ブラジル人にとってはアブダビに来ることが夢なんだ。帰国して友人や家族を訪ねると、ここでの大会のことばかり聞かれる。彼らはUAEと、UAEが柔術の発展のためにしてきた努力について心から共感を覚えているんだ」と、ドゥアルテ選手は付け足した。
茶帯62kg級で金メダルを獲得したオマーン柔術アカデミーのアブドゥラ・アル・ジュナイビ選手は、前述のドゥアルテ選手のコメントに同意し、「この大会では2年連続で金メダルをとることができた。素晴らしい気分だ。誇りに思うし、前に進み続ける意欲が湧く」と語った。
「アブダビは柔術の首都だ。テクノロジー、献身、熱気、プロ意識、すべてがトップレベルだ。柔術選手権の開催にこれ以上の場所はないと感じるし、UAEは柔術のリーダーになっていくと本気で信じている。将来は、オマーンに戻って柔術を教え、意欲を与え、他の人たちが柔術の稽古をしたくなるようなやる気を引き出したいと考えている。柔術は個人にとてもいい影響を与え、ひいては社会全体のためにもなる競技だ」と、アル・ジュナイビ選手は言う。
アブダビ在住の36歳のブラジル人、マリナ・リビエロ選手はマスター1黒帯62㎏級で金メダルを獲得し、大会の熱気を称えた。
通常は柔術のトレーナーとして参加しているリビエロ選手だが、ほぼ6年ぶりにADWPJJCの出場者としてマットに戻ってきた。パームス・スポーツ所属のリビエロ選手は、「今日、金メダルをとることができたのは素晴らし気分です。試合に復帰することができてとても嬉しい。こうして実際に金メダルを手にできるなんて、夢のようだ」と、語った。
「この国では柔術が急速に広まっている。現在、柔術をやっている国民の数には全く驚かされる。ここまで高い技術レベルで試合に出る選手の数もびっくりするほどだ。私の生徒のほとんどはUAE出身で、10歳から大人までがいる。私は8年間コーチをしてきたが、以前に比べると、柔術をやっている人の数は格段に増えた。私の生徒のほとんどは地元出身の女の子だ。UAEが、女性の柔術参加を後押ししているのは素晴らしい」と、リビエロ選手は付け加えた。
マスター1茶帯69kg級で金メダルを勝ち取ったジャミル・セムハット選手は、「UAEがこんなにもレベルの高い大会を実現させ、実際にこのような素晴らしい才能あふれる選手たちと観客を惹きつけることができるなんて、信じられない。まさに世界的な雰囲気に満ちていて、驚くべきレベルの高さだ」と、語った。
Al Wasl Jiu Jitsu Club所属、35歳のカナダ選手であるセムハット選手は、「参加した選手の多くをSNSでフォローしてきた。こうして対戦したり、同じマットで戦うことができるのはとてもやりがいがある。これこそ、柔術の素晴らしいところだ。バスケットボールではスター選手を見かけることはあっても、一緒にプレーしたりトレーニングができることは絶対にない。ここでは素晴らしい選手たちを目の当たりにするだけでなく、対戦までできるんだ」
ADWPJJCは正式オープン日の11月16日(水)も続く。その日は、プロ選手が柔術アリーナのマットに立つことになる。