
Najia Houssari(ベイルート)
レバノンの大統領と前首相は、国内に広がる混乱に対する責任のなすり合いを繰り広げ、緊張が高まった。
不況、街頭の大規模デモ、政治的危機により、財政や治安面での混迷度が高まってきた。
レバノンは、サード・ハリーリー首相が2週間近く行われた抗議活動を受けて辞任した10月29日以降、暫定政府によって政治が行われている。
ハリーリー氏は、新政権の指導力と陣容をめぐってミシェル・アウン大統領と衝突した。
「大統領との間で抱える問題は、彼がこの国で何事も起こらなかったかのように行動していることだ。彼は、革命の要求を支持することで賢く振舞おうとしている。私の立場は明快だ。この政府で私が存在を示すことはなく、誰をも任命しない。また、そんな政府に信任票を与えることもない」。ハリーリー氏はこのように述べた。
「現在、彼らはハリーリー一族の政治的レガシーに狙いを定めており、この国に降りかかったすべての災厄を一族の責任にしようとしている。しかし、誰がハリーリー一族のレガシーを葬り去ろうとしても、それはあたかも自分自身を葬るかのような振る舞いになる。実際に誰がこの国から何かを盗むのか、見てみることにしよう。私は誰も援護しない。彼らも同じようにするべきだ」
アウン氏はハリーリー氏に対し、次のように応じた。「彼は、状況を制御しようとする際に見せる私の復活力や冷静さをうらやんでいるのだ。それとも、彼は私に対し、愚か者や悪者のように振る舞ってほしいのだろうか?我々は彼(ハリーリー氏)のために100日も待ったが、何も進展がなかった。我々は、そんな尻込みし続けるような人物を無駄に待っていたのだ。望んだり、望まなかったり、臆病者であるかのようだ。政府はそのようなやり方で構築することはできない」
大学教授で元教育相のハッサン・ディアブ博士がハリーリー氏の後任として指名され、将来の政府の構築について話し合うため国会諸会派との協議を始めた。
しかし、ディアブ氏は大きな障害に直面している。その一つは、ディアブ氏が自由愛国運動、ヒズボラ、アマルとその同盟者の支援を受けたことを理由に、彼を指名することを拒否した有力な政治会派によるボイコットである。
マロナイト総主教のビシャーラ・アルラヒ氏は22日(日曜)、すべての政党に対し、ディアブ氏と協力し、臨時政府の構築を後押しするよう強く促した。
デモ参加者は、レバノンのベイルートなどでディアブ氏に反対するデモを行ってきた。彼らは、ディアブ氏が支配層エリートの一員であることを理由に、同氏が首相のポストを放棄するべきだと訴えている。デモ参加者は、レバノンの政治的腐敗や失策の原因は支配層エリートにあるとしている。