


シャムス・エル・ムタワリ
ドバイ:日本茶アドバイザーの資格を持つ太田 寛氏は、日本の様々な緑茶のほか、急須や抹茶茶碗などの関連商品の貿易と販売を専門とするドバイベースの会社、アグラック フード&ビバレッジ トレーディング(Agrak Food and Beverages Trading) LLCのパートナーを務めている。
同氏は2014年、日本茶の講習を受けた後、日本茶インストラクター協会のアドバイザーの資格を取得した。その日本茶に対する情熱は、彼の先輩であり現在のビジネスパートナーに触発されたものだ。
当初、それほど日本茶に興味がなかった太田氏だったが、その方の熱心な指導と励ましによって日本茶への好奇心が芽生えたという。
同氏によると「お茶について学ぶことで、より興味を持つようになった」と話し、湯の温度でお茶の味が劇的に変わることを説明した。
また、実習では誰が最も風味豊かなお茶をいれるかで生徒の間で競い合うこともあったと振り返った。
日本茶アドバイザーをやっていてよかったと思うのは、日本茶を広めることで、日本の文化的側面をより海外の人に知ってもらえることだという。
太田氏によると、緑茶の製造は、木から茶葉を摘み取るところから始まり、発酵(酸化)を止めるために、日本独特の方法である蒸し工程で、加熱する。
製造工程は、蒸熱、粗揉、揉捻、中揉、精揉、乾燥の6工程に分けられる。
同氏は平地で栽培されたお茶は山岳地帯で栽培されるものと異なるとし、「お茶は生育環境にとても敏感です」と話した。
そして、日本で芸術まで発展した茶道が有名であるが、日本の日常文化としてお茶を飲むことの重要性を説いた。
「緑茶を飲むことは、日本人にとってコミュニケーションをはかり、ストレスを解消する、ごく自然のことなのです」
さらに、日本とアラブ首長国連邦に根付く文化としてのお茶の習慣を比較し、「カラク(紅茶)と緑茶は同じ茶の木から採れるが、唯一の違いは飲み方である」と指摘した。
また、アラビアのコーヒーも提供される方法が日本の緑茶と似ており、それは客に対して誠意を持って温かい心で歓迎するという意味の「おもてなし」であると説明した。