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食品廃棄物のセメント:お菓子の家のような建物も可能に

2022年5月26日、東京大学研究者の酒井雄也氏(右)と町田紘太氏が、東京にある彼らの研究所で「食品セメント」で作られた製品と一緒に撮影のためのポーズを取る。(AP)
2022年5月26日、東京大学研究者の酒井雄也氏(右)と町田紘太氏が、東京にある彼らの研究所で「食品セメント」で作られた製品と一緒に撮影のためのポーズを取る。(AP)
2022年5月26日、東京大学研究者の酒井雄也氏(左)と町田紘太氏が、東京の大学の研究所で、乾燥した野菜と果物の皮を粉砕する前に調べている。(AP)
2022年5月26日、東京大学研究者の酒井雄也氏(左)と町田紘太氏が、東京の大学の研究所で、乾燥した野菜と果物の皮を粉砕する前に調べている。(AP)
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02 Jun 2022 01:06:25 GMT9
02 Jun 2022 01:06:25 GMT9
  • 東京大学の研究者である町田紘太氏と酒井雄也氏が、食品廃棄物を「食べられる建築用セメント」に変える技術を開発した。

東京:『ヘンゼルとグレーテル』のようなお菓子の家があったら、と夢見たことはないだろうか。近い将来、食べられる家はもうお伽噺の中だけのものではなくなるかも知れない。

東京大学の研究者である町田紘太氏と酒井雄也氏が、食品廃棄物を「食べられる建設用コンクリート」に変える技術を開発した。

セメントを完全に食品廃棄物だけで作るのは、世界初の処理方法だ。この新素材は、通常のコンクリートの4倍近い伸張強度や曲げ強度を持つという。

町田氏と酒井氏は、食品廃棄物を廃棄場に埋め立てると腐敗してメタンガスが発生する問題を緩和することで、地球温暖化を減らす一助になりたいと考えている。

東京大学生産技術研究所の准教授である酒井氏は、セメントを使ったコンクリートに代わるサステナブルな素材を研究する中でこの技術を開発した。英国のシンクタンクである王立国際問題研究所によると、セメント製造が世界の二酸化炭素排出量の8%を発生させるという。

酒井氏はまず、粉砕した木屑を熱圧縮してコンクリートを作る方法を開発した。乾燥、粉砕、圧縮という3段階の工程を、Amazonで買える単純なミキサーとプレス機を使って行ったという。

酒井氏は、学生の町田氏と一緒に、これと同じことを食品廃棄物でやってみようと決めた。食品廃棄物を使ってセメントを作るそれまでの試みでは、素材を固めるのにプラスチックを混ぜる必要があった。

二人は何ヵ月も失敗を繰り返した後、温度と圧力を調整することでセメントを固めることができると気づいた。

「一番難しかったのは、食品廃棄物の種類によって、必要な温度や圧力のレベルが異なることでした」と酒井氏は言う。

食品廃棄物を建築に利用する他の実験では、主に通常のコンクリートの混ぜ物として、コーヒー粕やバイオ廃棄物の灰などの使用が試されていた。

酒井氏と町田氏は、茶殻、オレンジや玉ねぎの皮、コーヒー粕、白菜、さらには弁当の残り物などを使ってセメントを作ることに成功したという。

さまざまなスパイスで風味を調節したところ、セメントの色、香り、味などが非常にそそるものにもなり得ることが分かった。この素材を食べられるようにするには、細かく割って茹でる必要があると酒井氏は述べた。

セメントを防水してネズミなどの有害生物に食べられないようにするには、漆を塗ることもできる。

食品廃棄物は、日本でも世界でも大きな問題だ。日本は2019年に、まだ食べられる食品を約570万トン廃棄したが、政府は2030年までに、これを約270万トン減らしたいとしている。

町田氏は昨年、幼馴染と3人でfalulaという名の株式会社を設立した。他社と協力して、食品セメントからカップ、カトラリー、家具などを作る仕事をしている。

この工程を使えば、災害用の食べられる仮設住宅を作るのにも利用できると酒井氏は言う。

「例えば、避難者に食べ物が届かない場合、食品セメントで作られた仮設ベッドを食べることもできます」と酒井氏は述べた。

食品セメントは再利用が可能で、生分解性があるため、不要になれば土に埋めることができる。

「私たちは最終的に、このセメントが、環境に悪い影響を及ぼすプラスチックやセメント製品に取って代わることを期待しています」と町田氏は述べた。

AP

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