Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 特集
  • チェコのサッカーフーリガンが日本を通じてUFCチャンピオンになるまで

チェコのサッカーフーリガンが日本を通じてUFCチャンピオンになるまで

2022年6月12日に撮影されたこの資料写真には、チェコ共和国のイリー・プロハースカ氏が、シンガポールで開催されたアルティメット ファイティング チャンピオンシップ(UFC)275での男子ライトヘビー級タイトルマッチで、ブラジルのグローバー・テイシェイラ氏に勝利したことを喜んでいる姿が写っている。(写真提供:ニコラス・ヨウ/AFP)
2022年6月12日に撮影されたこの資料写真には、チェコ共和国のイリー・プロハースカ氏が、シンガポールで開催されたアルティメット ファイティング チャンピオンシップ(UFC)275での男子ライトヘビー級タイトルマッチで、ブラジルのグローバー・テイシェイラ氏に勝利したことを喜んでいる姿が写っている。(写真提供:ニコラス・ヨウ/AFP)
Short Url:
09 Aug 2022 03:08:34 GMT9
09 Aug 2022 03:08:34 GMT9
  • 格闘技と日本の古文書に感銘を受けて、ストリートファイトからケージファイトに転向

香港: イリー・プロハースカ氏は母国チェコ共和国でサッカーのフーリガンをしていたが、格闘技と日本の古文書に感銘を受け、ストリートファイトからケージファイトに転向し、UFC世界チャンピオンになった。

プロハースカ氏はひどく無為な青春時代を過ごしていたが、約8年前に、日本の剣豪である宮本武蔵によって1645年に書かれた『五輪書』を手渡されて、ようやく「戦士になる」ための集中力を手に入れたのだ。

29歳のプロハースカ氏は、この本から学んだこと、そしてこの本が奨励する「武士道」と呼ばれる武士の規律から学んだことについて、「正直であること、勇敢であること、困難な状況でも冷静であること」と語った。

プロハースカ氏は6月にシンガポールで開催されたUFCで、ブラジルのライトヘビー級グローバー・テイシェイラと、最終5回戦でもつれたスリリングな一進一退の攻防の末、UFC初のチェコ人世界チャンピオンとなった。

プロハースカ氏は殴打され、テイシェイラ氏に敗れる寸前に見えたが、何とか力を振り絞って絞め技をかけ、ブラジルのベテランを服従させた。

プロハースカ氏はAFPに対し、「私のスタイルは予測不可能だと言う人もいます」と語った。

プロハースカ氏は、チェコ南部の都市ブルノの生家から車で30分ほど離れた森の中の、人里離れた場所にあるコテージから、テレビ電話で話していた。

日本古来の武士が好んだちょんまげを結ったプロハースカ氏は、「自分にとってベストな方法を見つけなければなりませんし、これが私にとってベストなのです」と語った。

「瞑想し、トレーニングをして、自分が生きたいと思うような人生を送っています」

プロハースカ氏に最初から、その穏やかな感覚と目的意識があったわけではない。

彼は10代の頃、FCズブロヨフカ・ブルノを応援する地元のウルトラス(サッカーのフーリガン集団)の一員となり、敵対するファンと100回以上ストリートバトルを繰り広げた。

その若い頃について彼は、「それが私の人生の一部であり、それがなければ今の私はいません」と語った。「今の自分になるためには、あの頃の自分になる必要があったのです」

プロハースカ氏は17歳のとき、地元のジムでムエタイのキックボクシングに出会い、合法的に戦うことができることを知った。

19歳で国内選手権に優勝した後、世界的に人気が高まり始めたMMAに転向した。

プロハースカ氏はその才能によって、日本のライジン ファイティング フェデレーションと巡り合うことになり、そこでコーチから宮本武蔵と武道の歴史を読むようにとアドバイスされた。

プロハースカ氏は日本で勝利を収めるようになり、彼の人生は一変した。RIZIN MMAのタイトルに続き、2020年にラスベガスのアルティメット ファイティング チャンピオンシップ(UFC)から声がかかった。

2連続KO勝利を収めたことで、シンガポールで開催されるUFC275で42歳のテイシェイラ氏と世界タイトルをかけて対戦する機会が与えられ、プロハースカ氏はそれを掴み取ったのである。

テイシェイラ戦で負った拳の骨折から回復し、コテージに戻ったプロハースカ氏は、キャリアの次のステップと、ブラジル人選手との再戦を計画していた。

「私はまだ前進しています」とプロハースカ氏は語った。

「人生において誰もがいつかは、さまざまな方法で戦わなければなりません。だから私はまだ学んでいますし、学ぶことをやめてはいけないと思います」

AFP

特に人気
オススメ

return to top