

ダウド・クッタブ
アンマン
アラブ・ニュースへの特別寄稿
ヨルダンの絶望的な水不足危機の緩和において極めて重要な支援を行ったとして、日本が称賛を受けている。
古く、汚染された水インフラを使って何年も苦労してきたヨルダン社会は、日本の援助機関の支援のおかげで、大規模なシステム改修を行ってきている。
国際協力機構(JICA)は、この中東の国の給水・下水設備の改善に莫大な資源を投じてきた。
Montaser Sqourと彼の家族の生活は、日本の支援で導入された新しい水管理システムで、著しく楽になった。
彼らが住むヨルダン北部の都市イルビド近郊の町サリは、水不足と、頼りにならない下水処理方法に長く悩まされてきた。しかし、JICAが配管の大規模改修に投資を行った2018年に、多くの問題が解消した。
「結果的に水の供給量が増えたことは、これまでの半分の時間で4メートルの貯水コンテナを満たせるようになったことを意味します」と、Sqourはアラブ・ニュースに語った。「コンテナを一杯にするのに4時間待たなくても、今では2時間で完了するのです」。
ヨルダン北西部の端に位置するラムサのSalem Bash Aishaは、町の下水問題への日本の支援に住民らが非常に感謝していると話した。
「JICAが我々に与えてくれたのは、町の南部と西部の下水システムで、これにより我々は、公害の主な要因になっていた下水吸水ピットを利用する必要がなくなりました」。
政府当局者らによると、2014年にヨルダンは世界第2位の水不足国としてランキングに入り、同国では1人あたりの水の量は、年間1000立方メートルという国際的な水不足基準を88%も下回っていたという。
ヨルダンは常に水の供給問題を抱えてきた一方、シリアの危機と戦争で破壊された近隣国からの難民の大規模な流入の結果、これらの問題はさらに深刻化した。
ヨルダンの国勢調査の結果によると、2019年の1000万人の人口のうち、140万人はシリアの難民で、その存在感は同国のインフラに、特に水の供給に多大な負担を与えている。
2010年から2018年までヨルダンの水大臣を務めたHazem El-Nasserは、アラブ・ニュースに対し、日本は支援に踏み出した3ヶ国のうちの1つだと語った。「日本は何十年にもわたってヨルダンの一貫した支援国で、我々が危機に見舞われた時にはいつでもその経済支援を大幅に拡大してくれました」。
日本の柳秀直駐ヨルダン大使はアラブ・ニュースに対し、「日本はヨルダン北部の行政区域に特に重点を置いて、同国の水の分野の改善を支援してきました」と語った。
公使は、ヨルダン北部の行政区域の水の分野の改善に対し、2017年に日本が24億円(SR8420万)を提供し、国際連合プロジェクトサービス機関(UNOPS)がこれを実施したことを指摘した。
これは主にシリア難民に提供するためである一方、同時にバルカー県の水道網の拡張支援にもさらに13億9000万円が割り当てられた。
El-Nasserは、日本は難民だけでなく、ヨルダン人に対しても重要な支援を行ってきたと称賛した。
「ヨルダン人は、自分たちが惨めな生活をしている中で、シリア人に支援の手が差し伸べられるのを見ると、いつも妬ましく思うのです。
だからこそ、日本には、シリア難民だけでなく、近隣の地元のヨルダン人に対しても提供する水道網の支援をする並行した戦略が必要なのです」。