
アラブ・ニュース・ジャパン
高級肉提供店の「カントリーヒル・インターナショナル」(CHI)とUAEのドバイにある精肉店プライムグルメは、9月14日(木)、同社が取り扱う和牛に神戸牛が加わったことを記念して、「アート・オブ・コウベ」と題したイベントを開催した。
カントリーヒル・インターナショナルは、「Sfoods」の熟練の肉屋である日本人のワタナベ・マリカさんを招いた。マリカ氏は伝統的な浴衣姿で複雑な包丁さばきを披露し、枕ほどの大きさがある牛肉の塊を切り落とした。
このイベントでは、ワタナベさんが肉愛好家や肉にこだわりを持つ専門家たちに対して、神戸牛の最高の切り取り方や、無駄な部分を残さない効率的な技法を華麗に伝授し、神戸和牛の繊細さと芸術性が紹介された。イベントの終わりには、「肉の解体方法に同じものは一つもない」ということが明確になった。
実演の後、神戸牛の特定の切り出し方に着目した試食会が行われた。メニューを考案したのは総料理長のマウロ・ディ・レオ氏だ。マウロ氏は、CHIの売れ筋商品に使用している2段切りを駆使し、神戸牛の握り、神戸牛の串焼き、燻製による神戸牛首肉のじっくり焼き、神戸タルタル、神戸牛ステーキスライスなどを用意し、参加者たちは肉の繊細さと風味を堪能した。
UAEの多くの人にとって、日本の神戸市は世界で最もジューシーで高価な牛肉の代名詞になっている。しかし、神戸牛が国内で入手可能になるにつれ、CHIなどの提供店は、この超高級牛肉の正当性を適切に見分ける方法を消費者に知ってもらいたいと考えている。
CHIは、真正性、トレーサビリティ、サステナビリティの3つを柱に活動している。牛の全筋肉を提供するにあたり、販売やトレーニングを通じて、伝統的な日本料理でよく使われるサステナブルな「2段切り」をもっと使うよう客に教育・啓蒙することに尽力している。2段切りは、うちもも、しんたま、ランプ、かたロースなどに対して使用される。2段切りの利点はサステナブルなだけでなく、CHIはこの手法により牛肉をより低価格で提供できるようになった。CHIはドバイのシェフにサロマ和牛を提供することで知られているが、神戸和牛が加わったことで、利用者に主な和牛をほぼ提供することが可能になったため、ドバイにおける代表的な和牛提供店としての地位を確立した。
CHIは神戸牛販促流通協議会に加盟している。神戸牛販促流通協議会は、神戸牛の輸入業者を認定し、牛の品質とトレーサビリティの証明書を発行している。
神戸牛は日本の和牛のごく一部だ。但馬牛の系統に属しており、兵庫県神戸市周辺でのみ育てられる。他の和牛とは一線を画す素晴らしい風味と霜降りの食感を特徴とする。
神戸牛が広く流通するようになったことで、本物と偽物の識別が必要となり、供給者を認定することの重要性が高まった。
CHIのオーナーはGulf Japan Food Fundであり、日本と強いつながりを持ちながらUAEの国産ビジネスとして成功を収めている。CHIとGulf Japan Food Fundは日本の農家と世界トップクラスの繋がりを持っており、この業界では他に類を見ないほどだ。UAEのような肉食文化のある都市において、2つの世界が一体化したときに何が起きるかをCHIとGulf Japan Food Fundは証明している。