松野博一官房長官は24日午後の記者会見で、アフリカ北東部スーダンからの邦人の退避に向け、「(周辺国のジブチに待機中の)C130、C2両輸送機をはじめとする自衛隊部隊を調整が整い次第、スーダンに派遣し、輸送活動を開始する」と発表した。防衛省関係者によると自衛隊機は既にジブチを離れた。スーダンには約60人の邦人が滞在している。
松野氏は自衛隊機の具体的な派遣先の都市などは、邦人の安全確保の観点から明らかにしなかった。
スーダンでは正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の交戦が続く。迅速な邦人退避のため、政府は既に航空自衛隊機を、自衛隊の海賊対処活動の拠点があるジブチに派遣、待機させていた。海外邦人の自衛隊機による輸送が行われれば、2021年のアフガニスタン以来6回目。
岸田文雄首相は24日の自民党役員会で、武井俊輔外務副大臣を関係国との連絡や調整に当たらせるため、ジブチに派遣したと説明。「引き続き、政府を挙げて在留邦人の安全確保や退避に向けて全力で対応していく」と強調した。
松野氏も会見で「スーダンからの出国を希望する人々の安全な退避が、国際社会にとって最も喫緊の課題となっている」と指摘。現時点で邦人にけがなどの情報はないという。
スーダンでは24日午前6時(日本時間同日午後1時)に、正規軍とRSFによる72時間の停戦合意の期限を迎えた。松野氏は「停戦中も(首都)ハルツーム市内では交戦が続いていた。即時の暴力停止を呼びかけていく」と訴えた。
日本政府は24日昼、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合を開き、対応を協議した。
時事通信