砂漠の砂丘から太陽が昇る頃、イスラム時代初期の7世紀には7世紀の男も女も子どもたちも、特別な日に社交的な集まりや祭りに集まって来ていた。後にサウジアラビア王国となるこの地での祭典では、ラクダが互いに競い合い、飼い主や群衆の歓声を浴びながら砂の上を轟音を立てて駆け抜けた。
そして、ラクダレースという大切にされている地元発のスポーツが誕生したのである。ラクダレースは、現代のサウジアラビアに保存され、繁栄している最古の時代からの伝統への追求である。
サウジアラビア・ラクダレース連盟の協力のもと、アル・ウラー王立委員会が「アル・ウラー・モーメント」の一環として開催する第1回「アル・ウラー ラクダカップ」は、今年のラクダレースシーズンの頂点となる大会である。地味な存在から繁栄してきたスポーツであるラクダレースを進化させるための次の段階である。
3月14日から17日にかけて開催される「アル・ウラー ラクダカップ」は、ラクダレース1ラウンドあたりの賞金総額が世界最高額の2,100万ドルで、サウジアラビアの伝統的なスポーツであるラクダレースを最もふさわしい舞台で称えるイベントだ。
人類と自然の素晴らしい遺産であるアルーラを背景に、古代の香料の道と巡礼路の主要な中継地点の1つであったこの地で、「チャンピオンの中のチャンピオン」が選ばれる。アル・ウラーへのラクダの貢献と遺産の意義は、アル・ウラーを一目見るだけでよく理解できるはずだ。ラクダが描かれた岩絵や置物は、この息を呑むようなオアシスの風景に点在し、この地の人々にとって現在でも非常に重要な存在である人間と動物の独自の関係を物語っている。
アル・ウラーは20万年にわたる人類の未踏の歴史が詰まった生きた博物館である。しかし、近代的な観光地としてのアル・ウラーは比較的新しいものであり、時間と共にいかに進化していくのか、私たちは愛すべきラクダから学ぶべきことが多い。
ラクダが砂漠の環境で生きていくための数々の適応能力について考えてみよう。毛足が長く、毛むくじゃらで、保温性が高いが、暑い時期には毛が抜ける。砂の上を走るのに最適な幅広の蹄と、餌なしで長期間生き延びるためのエネルギー源となる脂肪をコブに蓄えている。
そのため、「アル・ウラー ラクダカップ」は、「砂漠の船」と呼ばれる動物であるラクダの驚異的な能力以上のことをするように改造されている。
祝賀会ディナー、ライブオークション、カルチャーマーケット、国内外のスターによる音楽・芸術がいっぱいの夕べなど、サウジアラビアのスポーツイベントにおけるこの特別で記念すべき機会にふさわしい豪華な日程となっている。4日間にわたる「アル・ウラー ラクダカップ」では、華やかで豪華なファッションイベントも開催される。
「アル・ウラー ラクダカップ」は、伝統あるスポーツの豊かな文化的遺産への礼讚であり、アルーラの隆盛においてラクダが果たした極めて重要な役割への賛辞でもある。21世紀のラクダレースを新しい地平に導き、この栄光ある気高いスポーツを気分爽快な動きへと推進した7世紀の人々同様、参加者に情熱と興奮をもたらすものである。