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スマートモビリティ革命に備える湾岸協力会議諸国

02 Feb 2020
新たな調査報告書は、サウジアラビアが輸送上の課題に対してハイテクなソリューションを見つけるのに有利な立場にいると言う。(供給資料)
新たな調査報告書は、サウジアラビアが輸送上の課題に対してハイテクなソリューションを見つけるのに有利な立場にいると言う。(供給資料)
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Updated 02 Feb 2020
02 Feb 2020

カリネ・マレック

ドバイ:サウジアラビアとUAEが中東におけるスマートモビリティ分野をリードしていると、新たな調査報告書は言う。

報告書『Smart Mobility in the GCC: Fast Track to the Future(湾岸協力会議諸国のスマートモビリティ:未来への近道)』は、湾岸協力会議(GCC)諸国がそれぞれのスマートシティ プロジェクトを成功させる準備を整えているタイミングで、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)ネットワークの一部であるストラテジーアンド(中東)によって公表された。

この報告書によれば、革新的なデジタル技術を利用するスマートモビリティによって、GCCにオープンで相互につながった輸送ネットワークを作り出すことができ、これまでよりも効率的かつ持続可能な人や貨物の移動が可能になる。

ストラテジーアンド(中東)でプリンシパルを務めるマーク・ハダッドは、サウジアラビアの各大都市は、都市化に関連してよくある問題に直面しているという。とりわけ、輸送サービスに対する需要の高まりや、頻繁に起こる交通渋滞、そして環境へのネガティブな影響などだ。

それらの課題を克服するために、王国は日常の輸送サービスを管理して市民のニーズに対応するために、最先端のスマートモビリティ技術を使った革新的な方法を採用しようとしている。

リヤドはこれまでに人工知能(AI)をベースとした適応信号伝達プロジェクトに数百万ドルを投資しており、日常の交通管理に大きな影響を与えてきた。
リヤドに関しては、NEOMメガシティ当局が最近、ユーザー中心で、環境に優しく、技術的に進んだ世界最大の陸上モビリティ エコシステムの開発計画を発表している。

「NEOMはモビリティにおいてアクティブ、自律的、電動、シェア、スマートといった選択肢も優先し、王国をスマートモビリティ革命の中心に置くでしょう」と、ハダッドはアラブニュースに語った。




湾岸地域のいたる所で、スマートシティとそれらが住民の移動に対処する方法が、この地域の未来を担う中核になろうとしている。(シャッターストック)

「サウジアラビアは従来の輸送インフラに巨額の投資をしながらも、徐々によりスマートな輸送ネットワークやモビリティソリューションに投資する必要性に気づいています」と、彼は言う。

「そのようなソリューションはよりコスト効率が高いことが証明されています。例えば、適応信号伝達、AIに基づく交通管理、IoT(モノのインターネット)を通した予測メンテナンスなどです」と、彼は付け加えた。

「最終的な成果として、統合された単独のユーザーインターフェースを通して複合的な移動の計画作りや予約を行うなど、顧客体験が全般的に改善されるでしょう」
ハダッドは王国のスマートモビリティ エコシステムが急速に進化していると説明する。投資の重点は徐々に、よりスマートな交通管理システムを通して既存の道路インフラの利用を最適化することや、公共輸送サービスのアップグレード、そして最も重要なこととして輸送の新しい形の探求に置かれるようになっている。

その進化の証拠として、ハダッドは王国が最も人気のある新型の大量輸送技術「ハイパーループ」に関心を持っていることを挙げる。

「王国はすでにハイパーループ技術の関係者たちとの戦略的な協力関係を結んでいます」と彼は述べ、ヴァージン・ハイパーループとサウジアラビア経済都市開発庁との戦略的パートナーシップを指摘した。

このパートナーシップは、最長の試験・実証用ハイパーループ軌道(35km)に加え、研究開発センターとハイパーループ製造施設の研究および建設を目指している。

その目標はサウジアラビアをGCCにおける「モビリティの未来」の思想的指導者として位置づけることと、ハダッドは述べた。

報告書は、GCC全域においてより幅広い規模でスマートモビリティを適用することが、それぞれの地域に広範囲なメリットをもたらすことになると述べる。

それらのメリットには、自動車の自動運転化によるより安全な道路や、交通事故を減らすことができるより優れた安全性技術などが含まれ、路上での死者や負傷者の減少につながる。

交通集中の緩和も利点である。スマートモビリティは既存の道路網で、車や人をより効率的に移動させることができるからだ。

「人々にシェアライドやスクーター、自転車、または大量輸送などの代替オプションを提供することもでき、移動時間の短縮につながる」と、報告書は述べる。

よりクリーンな環境も可能性のある副産物である。移動者や輸送システム運営者に対してより環境に優しい選択肢を提供できるスマートモビリティの能力のおかげで、輸送産業分野が与える環境への有害な影響を減らすことができるためだ。

おまけとして、報告書は労働力がより効果的になることも予測する。モビリティの再発明は労働者に対して重要な影響力を持つからだ。一部の家庭はもっと都市部に近い場所に引っ越して個人的な自動車を処分することができ、雇用の可能性や選択肢が広がる。

「都心からもっと遠くに引っ越すことを選ぶ他の人たちも、そうすることが可能である。移動時間が短縮され、自動運転車やその他の移動オプションによって通勤者が移動中も生産的になれるためだ」と、報告書は述べる。

報告書は、移動全体の25%を2030年までにドライバー不要のさまざまな種類の選択肢に転換することを目指す、ドバイのスマートヴィークル戦略を特に強調する。

現在、アブダビのエコフレンドリーなマスダールシティは、自動運転のシャトルサービスを持ち、いくつかの電動スクーター プロバイダーと提携している。




スマートテクノロジーはサウジアラビアの公共輸送部門の変革に必須と見なされている。(AFP)

同地域の他の都市もスマートモビリティの分野で対策を講じ、進歩を見せている。

クウェートは過密状態の交差点を管理するためのインテリジェント交通制御システムを開発してきた。

オマーンではスマート道路テクノロジーがマスカットの交通を管理するために使われており、この都市全域でピーク時間の混雑を大幅に減らしている。

それほど遠くない未来において、都市輸送は相互につながった自動運転車のネットワークに依存するようになると、報告書は述べる。その一部として、電動自動車やシェアモビリティ ソリューション、現在の状況を感知して交通の流れを改善できる適応交通信号、マイクロモビリティ オプション、空中タクシーを挙げる。

「それらの要素が互いに連携して、より速く、より持続可能で、より効率的なシステムを作り出すだろう」と、報告書は述べる。

「自動車は相互およびインフラと情報をやり取りするようになり、人々はずっと幅広い選択肢を持って動き回るようになるだろう」

しかし、GCCがスマートモビリティを採用するためには、適切な統治の枠組みと規制が必要であり、法的な措置と複数の法律分野の関与が求められていると、報告書は述べる。

急速なペースでの技術的発展は、新しいソリューションやビジネスモデルを確実に公平で、利用しやすく、公正かつ持続可能なものにするために、省庁や市当局が規律と制度全体の統治を調整する必要が出てくることを意味する。

GCCの各当局は動きの速い一連の技術、ソリューション、プロバイダーの管理を学ぶことが必要になると、レポートは述べる。

この目的で、レポートは3段階のアプローチについて概要を説明した。これには、総合的な方針の策定や最も差し迫った問題を見極めるための綿密な評価の実施、制度や既成の枠組みの開発、ならびに公共部門と民間部門、および学術機関の間の協力関係やプラットフォームを通した共同作業が含まれる。

「政府は柔軟で、包括的で、反応の速い一連の規制を作り、スマートモビリティを支援する必要があります」と、ストラテジーアンド(中東)でパートナーを務めるウルリッヒ・ケーグラー博士は言う。

「例えば、多くの政府がスマートテクノロジーに順応するために、自動車を認可・規制する方法を改定することが必要になります」

ケーグラーはその他の注目される分野として、サイバーセキュリティ、データプライバシー、物理的セキュリティの問題、ならびに現在のモビリティサービスの法的な懸念や責任概念、および新たな各種モビリティ概念の統合が進むことでそれらがどのように発展または変化するかという問題を挙げる。

「この種の総合的なアプローチだけが民間部門に信頼感を与え、彼らにスマートモビリティ革命に携わることを促すでしょう」と、ケーグラーは言う。

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