
東京:一人の日本人学生が、ヴォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領のそっくりさんとして卒業式に登場した。同大統領のシンボルになっている、ピッタリしたサイズのオリーブ色のTシャツとカーキズボンを身にまとい、ロシアと戦うウクライナへの支持を表明した。
日本では、学生の多くはスーツや礼装で卒業式に臨む。しかし、京都大学には、この特別な日に学生が一風変わった服装を選択する伝統がある。
今年はゼレンスキー氏が卒業式の花形になった。
地元の読売テレビの取材に、学生は「ゼレンスキー大統領です」 と語った。あごひげを伸ばすのに3カ月かかったという。24日の卒業式でゼレンスキー氏のそっくりさんに扮する意をしたのは、「ヒゲを伸ばしていた12月以来、ゼレンスキー大統領に似ていると周りから指摘された」からだという。
彼のパフォーマンスは、単なるコミカルなコスプレではない。ツイッターであみきと名乗るこの学生は、ウクライナへの支持を表明するメッセージと、ゼレンスキー氏が12月に米議会で行った演説の一節が記されたボードを手に持っていた。
テレビ大阪の映像では、ゼレンスキー氏を「男の中の男」として尊敬していると語っている。
「私たちはウクライナの側に立ちます。最後には正義が勝つ、と願っています。ウクライナに栄光あれ」とツイートしている。
この学生は、先週日本の岸田文雄首相がキエフを極秘訪問した際にゼレンスキー氏に贈ったものと同じような木製のしゃもじも持っていた。岸田氏の地元、広島の特産品であるこのしゃもじは必勝祈願の意味合いがあるが、野党議員からは「ナンセンス」と痛烈に批判された。
戦争中の国の指導者にしゃもじを贈るのは適切と思えない、とその学生は語った。「しかし、ウクライナの人たちが喜んでくれて、そこに込められた伝統的な祈りが伝わったのであれば、嬉しく思います」
セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ大使は、ゼレンスキー氏のそっくりさんの動画の一場面や、ウクライナへの連帯を示す学生のツイートをリツイートした。
AP