2004年のアジアチャンピオンズリーグ決勝の第2戦の前の数日間、バンが韓国の城南市の通りを走り回り、地域の人々に、スタジアムに来て地元のチームがアジア大陸のタイトルを獲得するのを見にくるようにとスピーカーで宣伝していた。
その自信は当然であった。城南イルワチュンマは数日前にジェッダでアル・イテハドを3対1で破っており、ほとんどのファンや観客は、復帰戦を当然の結果と見なしていた。
12月初旬の夜は凍えるほど寒く、サウジ側がその機会を生かせないであろうもう1つの理由と見られていた。
ムハンマド・ヌールに触発されたアル・イテハドは、5対0で勝者となった。誰も予想だにしないことであり、それは大会の歴史における最大の逆転であった。そしてこれは、日本の浦和レッズとの第2回戦を控えるアル・ヒラルにとって、インスピレーションと実績を意味する。第1戦は先週の土曜日、ホームの観衆が残念がる中、1対1で終了した。状況は20 年前のあの夜ほど悪くないが、リヤドの巨人はトーナメントのタイトルを5つに更新しようとしており、やるべきことが多くある。
最初の問題はスコアラインである。大多数は、アル・ヒラルが日本に対して先制するであろうと予想していた。 サレム・アルダウサリが前半に先制ゴールを決め、5万6千人のファンが、試合前の評が高いブルーサイドが埼玉スタジアムに向け快適にことを進めることとなると思っていた。
しかし、後半の早い段階で予想もしない同点ゴールがあり、その時点まで得点の可能性さえ見えなかった浦和に自信と土台を与えた。
そして、退場があった。クラブと国の両方の守護神であり、アジアのサッカースターであるアルダウサリが、試合終盤に対戦相手を軽率にキックアウトしたため、レッドカードを突きつけられた。
この選手は、アル・ヒラルが浦和に敗れた2017年の決勝で退場となり、2年後の日本戦で決定的なセカンドレグを決めてリベンジし、3度目のタイトルを獲得した選手である。 今回、彼はその両方を行った—得点を決め、レッドカードを受けた。
彼は欠場となり惜しまれる。また、クラブと代表のもう1つの重要な歯車であるサルマン・アルファラジュも同様である。このミッドフィールダーは、さまざまな不調に何ヶ月も苦しんでおり、足の怪我を負っているため、日本戦、そしておそらくアル・ヒラルの残りのシーズンは休場する可能性が高い。
サウジアラビアのサイドバック、ヤセル・アルシャハラニも不参加だ。彼らは、アジア全体で最高といえる3人のプレーヤーである。
それは今や浦和が優勝候補であることを意味するが、浦和はそれを考えすぎないようにしている。浦和のミッドフィールダー伊藤敦樹は、「1対1の引き分けだからこの試合をするのだと思って試合に臨むと、先を行き過ぎてやられてしまう」と語った。 「アル・ヒラルは強いチームなので、心してそのような雰囲気を作らないようにしなくてはいけない。」
しかし、期待を持てることもあり、それは2004年のアル・イテハドの教訓(2005年に再び優勝し、チャンピオンズリーグを連覇した最初のチームになった。彼らは今週末、この偉業を繰り返そうとしている)だけではない。
アル・ヒラルには他にも勝者がいる。 オディオン・イガロは、アジアで最もホットなストライカーの1人である。元マンチェスター・ユナイテッドのストライカーである彼は、昨年ロースン・サウジ・リーグでゴールデンブーツを獲得し、今回も国内とアジアの両方で同様の偉業を果たす可能性がある。
このナイジェリア人選手は第1戦ではほとんど活躍できなかったが、ラモン・ディアス監督がその問題を解決できれば、浦和のゴールにシュートが決まる可能性が高まるであろう。
マイケル・デルガドは先週最も活発な攻撃プレーヤーであり、このブラジル人選手の魔法によりアルダウサリのゴールが決まった。彼の欠場によりデルガドはより良いプレーをしなければならず、ディアスは適切な組み合わせを考え出さなければならないだろう。
サーレハ・アルシェリがワールドカップでの活躍を再現する時が来るかもしれないし、ミッドフィールドには経験豊富なアブドラ・アル・オタイフのような選択肢がある。
アル・ヒラルは、特に最大の試合で敵のグラウンドに行く場合に、不利な状況から目を引く結果をもたらすことを今年すでに示している。2月に開催されたFIFAクラブワールド カップの準々決勝で、サウジアラビアがアフリカのチャンピオンで地元の英雄であるウィダッド・カサブランカと対戦するのを待っていたモロッコの観衆は、浦和の雰囲気と比べものにならない。
そこで延長戦とPK戦になり、アジアのタイトル保持者は勝とうと必死だった。 次の試合では、南米チャンピオンのフラメンゴを破った。同月の後半にはチャンピオンズリーグ準決勝があり、カタールに行って地元チームのアルドゥハイルを7対0で下した。
アル・ヒラルが2004年のアル・イテハドの英雄に触発されれば、国際舞台でより多くの歴史を作ることができ、このスコアレベルで浦和に勝つことは、決して不可能なミッションではない。