京都大などの研究グループは18日、対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を使って、仏教的観点から悩みなどに自動回答する「ブッダボットプラス」を開発したと発表した。質問に対して、機械学習した仏教経典の文言を示すだけだった従来の「ブッダボット」を改良し、質問内容に即した解釈や追加説明をAIが生成して提示する。まだ誤った解釈を示す場合もあり、国内での一般公開は当面予定していないという。
研究グループが2021年3月に開発したブッダボットは、ブッダと弟子のやりとりをまとめた仏教経典をAIが機械学習。質問に対して、約1500種類の問答から回答を示すが、具体的な説明などはできず、的確でない回答をすることもあったという。
ブッダボットプラスでは、「SNSを始めようと思うが、どう思うか」との質問に、経典から「何ものにも執着せず、余計なものを持たない人が、素晴らしい人である」との文言を提示。さらに、AIが「SNSを始めるかどうかは個々人の自由ですが、無駄なものに執着せず、必要なものだけを持つことが重要だという意味です」と説明を加えた。
研究グループの京大・人と社会の未来研究院の熊谷誠慈准教授は「より自然な対話ができるようになったが、課題もある。機械学習させる経典を増やし、回答の信頼性を高めたい」と話している。
時事通信