


リヤド:25日、アル・ナスルはクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックと1アシストでアル・ファトフに5-0の待望の勝利を挙げ、シーズンに弾みをつけた。また、サディオ・マネも2得点を挙げた。サウジ・プロフェッショナルリーグで開幕から2連敗し「イエローズ」の選手たちと新監督のルイス・カストロにはプレッシャーが掛かっていたが、5度のバロンドール受賞者とチームの面々は盛大にその力を見せつけた。
ここまで勝ち点0で1得点だったサウジ国内リーグ優勝9回を誇るアル・ナスルの試合内容は、開幕2試合で勝ち点4を獲得していたアル・ファトフ相手にこれまでとは全く異なり、今後のさらなる活躍を伺わせるものだった。その試合内容は卓越しており、今週末行われた他の試合でこの内容に肩を並べるものはなかった。
今シーズンのリーグ戦初勝利に過ぎなくとも、「リヤドの巨人」にとってはようやく状況が上向きはじめた。22日に行われたシャバブ・アル・アハリ・リヤドとの一戦では試合時間残り2分の時点でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)敗退という状況に置かれていたが、そこからの3得点で4-2の勝利を掴み、ACLグループステージ進出を決めた。
それでもリーグ戦3連敗となれば、サウジアラビアのサッカーに世界的な関心が集まる現在では、カストロに世界から厳しい目が向けられることになっただろう。ライバルのアル・ヒラル、アル・イテハド、アル・ヒラルがシーズン開幕から3連勝している状況でこの試合を落とせば、開幕したばかりの時点で9ポイントの差を付けられ、多くの疑問を投げかけられることになったはずだ。
試合開始から本気モードのアル・ナスルは、ロナウドがあらゆる場面で危険な状況を作り出し、相手ゴールに迫った。ポルトガルのスターであるロナウドは、27分の先制ゴールで重要な役割を果たした。この得点は、アル・ナスルが揃えた才能豊かな攻撃陣の波長が合い始めたことを伺わせるものだった。
アル・ファトフ陣内の中央の位置からマルセロ・ブロゾビッチが送ったシンプルなパスからロナウドがエリア外で見事なフリックを見せ、お膳立てを受けたマネはヤコブ・リンネ相手にシンプルな浮き球でネットを揺らした。
前半終了7分前、ロナウドが今シーズンリーグ戦初得点を挙げた。スルタン・アル・ガナムが右サイドから見事なクロスを送り、待っていた38歳のロナウドが彼なら決して外すはずもない至近距離からヘディングを決めた。
後半開始10分、アル・ナスルはほぼ勝利を確実なものにした。ブロゾビッチの見事なパスからアブドッラフマーン・ガリーブが左サイドを抜け出す。エリア隅にキーパーを引き付けたガリーブが横パスを送り、これを受けたロナウドは余計なことをせずゴールを決めた。
勢いに乗ったチームは非常に好調な試合運びを見せ、残り9分にもマネがこの日自身2点目、チームの4点目を挙げた。ロナウドが左サイドのガリーブに出し、ガリーブのクロスに元リバプールのスターであるマネが強烈なヘディングをゴール逆サイド隅に沈めた。
ロナウドにとっては、1月にサウジアラビアに渡ってから自身初のハットトリックを決めるだけの時間も残されていた。ペナルティエリア右隅でスペースを見つけたナワフ・ブシャルがファーポストのロナウドにパスを送り、これを受けた元レアル・マドリードとマンチェスター・ユナイテッドのスターにとっては至近距離からボールをゴールに送り込むだけだった。ロナウドはこの試合の得点差を表すかのような満面の笑みを浮かべた。
このゴールでアル・ナスルは、前日に共にアウェイで4-0の勝利を収めていたアル・ヒラルとアル・イテハドの得点を上回ることになった。この勝利でアル・ナスルが万事順調とはならないが、25日夜のこの試合からは、このチームの今後の姿、そして彼らがどんなサッカーを見せてくれる可能性を秘めているのかの片鱗が見えた。この流れが続けば、まずいスタートを切った今シーズンが最高の形で締めくくられることもあるかもしれない。