
ソウル:北朝鮮は、米国が先日行った大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を非難し、自国に狙いを定めた米国の核兵器に対抗するため、軍事抑止力を強化する方針であると、同国の国営メディアが3日に報じた。
米空軍は1日、カリフォルニア州の基地から核弾頭が搭載可能なミサイル「ミニットマン3」の発射実験を行ったが、異常が検出されたためミサイルを空中爆破していた。この実験には、2016年以降参加していなかった韓国の国防当局者も同席した。
北朝鮮のある軍事評論家は、実験は失敗に終わったものの、韓国の「傀儡軍事組織」が参加しているということは、米国の核兵器が北朝鮮を標的にしているということだと語った。
この匿名の軍事評論家は、国営通信社である朝鮮中央通信の報道で、同国を北朝鮮の正式名称「朝鮮民主主義人民共和国」の頭文字で表現し、「DPRKはこれまで通り軍事的行動を継続し、抑止力の強化と、朝鮮半島および地域の戦略的安全性を確保していく」とコメントした。
また、米国が核戦略爆撃機を韓国に配備したことなど、米国と韓国が最近行った様々な軍事行動についても批判を展開した。
「米国とその属国が北朝鮮に対して突きつけている核の脅威は、新たなレッドラインに近づいている」と同軍事評論家は述べ、「自衛のための核武装」を強化する必要があるとした。
南北朝鮮問題を担当する韓国統一省によれば、こうしたコメントは、北朝鮮が新たな軍事的「挑発行為」を正当化しようと準備しているのではないかという疑問を投げかけるという。
同省のキム・インエ副報道官は記者会見で、「現在、朝鮮半島で緊張感が高まっているのは、北朝鮮が無益な核開発や無謀な軍事的挑発を行った結果であることは明らかだ」と語った。
韓国は先月、米国のB52戦略爆撃機や3か国の戦闘機なども絡めた合同軍事演習を米国や日本と共に実施。
また同じ月に、米国と韓国は、実戦を想定した24時間態勢の航空軍事演習も行い、両軍合わせて130機の戦闘機を投入した。
韓国と米国はこの軍事演習について、北朝鮮への軍事的即応性を維持するのが狙いだとしている。
一方、北朝鮮は、米国と同盟国である韓国による侵略の準備だとして、この演習を非難した。
ロイター