
中国の習近平国家主席は、岸田文雄首相に対し、アジア最大の経済大国である2カ国は戦略的関係を再確認すべきだと語った。
中国国営メディアが報じたこの発言は、木曜日の夕方、サンフランシスコで開催されたAPEC首脳会議の傍らで行われた会談の冒頭でのことだ。
日本のメディアが報じたところによると、両首脳は輸出管理問題や安全なビジネス環境の育成に関する新しい対話の枠組みの構築についても話し合う予定だという。
習近平国家主席は岸田首相に対し、「共通の利益に焦点を当て、相違点を適切に処理すべきだ」と述べた。
日中両国は「互恵の戦略的関係を再確認し、新たな意味を持たせるべきだ」と付け加えた。
2008年の共同声明で、日本と中国は、安全保障などの問題について頻繁に指導者交流を行うことを目的とした「共通の戦略的利益に基づく互恵関係」を追求することに合意した。
しかし、歴史的なライバルである日中両国が、領土問題や貿易摩擦、そして北京が自国の領土だと主張する日本近海の民主的な島である台湾など、一連の問題をめぐって衝突してきたため、近年はこの表現が使われることは少なくなっていた。
最近では、8月に東京が事故を起こした福島原発の処理水を海に放出したことを受けて、中国が日本産の魚介類の輸入を禁止したことで関係が試されている。
岸田首相は、中国の禁輸措置の撤回を求めるとともに、中国当局に逮捕された日本人の早期釈放を主張する予定である。
岸田首相は会談の冒頭で、習主席に対し「日中は隣国として共存共栄し、世界の平和と繁栄に貢献する責任がある」と述べた。
この会談は、バイデン米大統領と習近平国家主席による待望の首脳会談に続くもので、両大国は大統領ホットラインの開設や軍事的な相互連絡の再開などに合意した。
岸田首相はバイデン氏とも首脳会談で会い、中国と共有する「共通の課題」などを話し合った。
日中関係の専門家である青山ルミ氏は、中国が日本との関係を再確認しようとしているのは、東京が宿敵ワシントンと緊密な関係にあることが一因かもしれないと指摘する。
早稲田大学現代中国研究所の青山所長は、「米中対立の中で日本といわゆる戦略的関係を築くことで、日米間にくさびを打ち込みたいという思惑があるのだと思います」と語った。
APEC首脳会議の傍ら、岸田首相は韓国の尹錫烈大統領とも今年7回目の会談を行った。二人はより深い協力を推進することを約束し、北朝鮮のミサイル発射実験など共通の懸念について話し合った。
ユン、岸田首相、バイデンの3氏は木曜日にも短い3者会談を行った。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)加盟21カ国の首脳は、11月15日から17日までサンフランシスコで開催される第30回首脳会議に出席する。
ロイター