
宇宙航空研究開発機構(JAXA)がサイバー攻撃を受け、内部のネットワークに不正アクセスされていたことが29日、JAXAなどへの取材で分かった。JAXAは、情報流出の有無などについて調査中とする一方、不正アクセスを受けたのは一般業務用の管理サーバーで、「ロケット運用に必要な情報は含まれていない」と説明している。
文部科学省とJAXAによると、不正アクセスはネットワーク機器メーカーが今年6月、ソフトウエアの改修などの対処を求める目的で公開した脆弱(ぜいじゃく)性を悪用して行われたとみられる。外部機関からの通報で発覚した。
通報を受けたJAXAは文科省に報告するとともに、このネットワークを外部から切り離す措置を取った。閲覧された可能性のある情報の特定や、脆弱性公開後の対応など、セキュリティー対策が十分だったかなどについて調査を進める。
2016~17年にはJAXAを含む日本国内約200の組織がサイバー攻撃を受けた。警視庁は21年、攻撃に使われたサーバーを偽名で契約したなどとして、私電磁的記録不正作出・同供用容疑で、30代の中国共産党員の男を書類送検し、起訴猶予となった。
時事通信