
岸田文雄首相は30日、国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に出席するため、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに向け政府専用機で出発した。各国のエネルギー事情に応じ「多様な道筋」で新興・途上国の気候変動対策を支援してきた日本の実績を発信。パレスチナ情勢を巡ってはイスラエルのヘルツォグ大統領と12月1日に会談し、緊張緩和を働き掛ける。
首相は出発に先立ち、首相官邸で記者団に「ネットゼロ(温室効果ガス排出実質ゼロ)という共通の目標に向け、わが国の技術や金融力を総動員してリードする決意を示したい」と強調。エジプトやヨルダン、カタールの首脳らとも会談すると明かし、パレスチナ情勢で「事態の早期沈静化、人道状況の改善へ連帯を確認したい」と述べた。
首相はCOP28で、日本の技術を使ってアジアの脱炭素化を進める「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」の取り組みをアピール。温室効果ガスの排出削減と経済成長・エネルギー安全保障を両立させる意義を訴える。
ヘルツォグ氏との会談では、イスラム主義組織ハマスとの対立が続くパレスチナ自治区ガザの情勢について協議。来年の先進7カ国(G7)議長を務めるイタリアのメローニ首相とも会談する。
岸田首相は現地時間30日午後(日本時間1日午前)にドバイ入り。3日に帰国する。
時事通信