
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するための法整備を急ぐ方針だ。既存の新型インフルエンザ対策特別措置法の枠組みを踏襲、イベント中止などの強制措置が可能になる緊急事態条項が柱となる見通し。野党にも協力を求め、早期成立を目指す。
安倍晋三首相は2日の参院予算委員会で、新型インフル特措法の緊急事態条項に触れ、「同等の措置を行うことが可能となる立法措置を早急に進める」と説明した。
特措法は民主党政権時の2012年に制定された。国民生活・経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある場合に首相が緊急事態を宣言。都道府県知事は学校、映画館などの使用制限や、イベント中止を指示できる。臨時医療施設を開設するための土地・建物の強制使用なども可能だ。
首相は「常に最悪の事態を想定し、あらかじめ備えることが重要だ」と強調。菅義偉官房長官は記者会見で、法改正か新法制定かは「検討中だ」と述べた。
首相はまた、全国の小中高校などに要請した一斉休校について「専門家の意見を伺ったものではない」と述べ、自身の政治決断だったと強調した。
第2弾となる緊急対応策の内容について、(1)一斉休校により休職を余儀なくされる保護者の所得を補う助成金制度創設(2)学童保育などを整備する自治体への財政支援(3)中小・小規模事業者への資金繰り支援―を列挙。「今年度(予算の)予備費を活用し、10日を目途に速やかに取りまとめる」と表明した。
JIJI Press