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5分で避難、全員無事=「奇跡じゃなく訓練」―津波襲来の高齢地区・珠洲市

それでも大半を高齢者が占める住民は5分以内に高台に避難して全員無事だった。(AFP)
それでも大半を高齢者が占める住民は5分以内に高台に避難して全員無事だった。(AFP)
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16 Jan 2024 08:01:44 GMT9
16 Jan 2024 08:01:44 GMT9

能登半島先端部に位置する石川県珠洲市三崎町は、地震と津波で壊滅的な被害を受けた。約40世帯90人ほどが暮らす町北部の寺家下出地区も地震から間もなく津波に襲われ、多くの住宅が倒壊。それでも大半を高齢者が占める住民は5分以内に高台に避難して全員無事だった。地区では東日本大震災をきっかけに毎年避難訓練を行っており、住民は「奇跡じゃなくて、訓練が生きた」と振り返る。

約2000年前の創建と伝わる須須神社がある同地区には、1日午後4時10分の地震発生から間もなく津波が襲来。海沿いを通る道や海岸の至る所に、家具やタイヤ、住宅の一部だったと思われる木材が散乱していた。

「この地震なら津波が来る」。東日本大震災以降、大地震と津波を想定した避難訓練を年1、2回続けてきた住民は、揺れが収まると荷物を持たずに、体一つで坂道などを上り、高台の集会所に向かった。近所同士で声を掛け合い、足の悪い人を背負うなど協力。地震から5分ほどで全員が集会所に到着すると、津波が到達したという。

過去の訓練では、毎回時間を計測。避難先の候補には神社なども挙がったが、混乱を防ぐために一つに絞っていた。奥浜敏孝さん(68)は、強い揺れに見舞われ「パニックになって、冷静に考えられなかった」が、自然と集会所へ足が向いた。「普段からの訓練で、『大丈夫だろう』とは思わずに、家にいる方が怖いと思えた」という。

地区を襲う津波を目撃したという女性(53)によると、「すごい速さで来ていた。逃げていなかったらと考えたらゾッとした」。この女性は「普段訓練をしていなかったら、みんな死んでいたかもしれない。奇跡じゃなくて、訓練が生きた」と真剣な表情で語った。

時事通信

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