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レバノンで怒りと悲しみの中、燃料タンク爆発事故の犠牲者が埋葬される

レバノンのアッカール地方にあるアル・ダウセ村で18日、燃料タンク爆発事故の犠牲者の一部の葬儀が行われているときに、空に向けて銃が発砲された。(AFP)
レバノンのアッカール地方にあるアル・ダウセ村で18日、燃料タンク爆発事故の犠牲者の一部の葬儀が行われているときに、空に向けて銃が発砲された。(AFP)
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19 Aug 2021 04:08:27 GMT9
19 Aug 2021 04:08:27 GMT9
  • 15日の爆発は、軍が配給していたガソリンを求めて集まった人々を焼いた
  • この爆発により、レバノン北部で少なくとも28人が死亡した

レバノン、アル・ダウセ:遺族は18日、危機に見舞われた国の最新の悲劇に対する怒りと悲しみの中、レバノン北部で少なくとも28人が死亡した燃料タンク爆発事故の犠牲者を埋葬した。

15日にアッカール地方のアル・トレイルで起きた爆発は、国をまひさせている深刻な燃料不足を考慮して軍が配給していたガソリンを求めて集まった人々を焼いた。同国は医薬品やガス、パンの不足にも悩まされている。

犠牲者には兵士やアッカールの住民が含まれていた。彼らは爆発した燃料タンクから直接プラスチック容器にガソリンを入れるため、午前0時過ぎにアル・トレイルに駆けつけた。爆発時の状況はいまだにはっきりしてない。

そのタンクは軍が押収した貯蔵品の一つだった。軍は最近、全国各地で燃料を貯蔵しているとされる人たちから貯蔵品を押収していた。

今回の事故は、世界銀行が近代の世界で最悪の経済危機の一つと評する危機に加えて起きたもので、昨年夏にベイルート港で保存状態の悪い肥料が爆発して200人以上が死亡した事故に続くものだ。

AFP通信の記者によると、レバノンの最貧地域の一つであるアッカールで18日、爆発事故の犠牲者が数人、埋葬された。

アル・ダウセ村では4人の犠牲者の葬儀が行われた。全員シュライティ家の人だった。

「彼らはガソリンのために死んだ。燃料があれば、こんなことにはならなかっただろう」と、16歳と20歳の2人の息子を埋葬していたムイン・シュライティさんは語った。

「2人の若い息子がいて、目の前で焼け焦げているのを見つけたらどんな気持ちになるか、政治指導者や官僚は考えるべきだ」。その50代の男性は葬儀の席でAFP通信にそう語った。

タンクローリー爆発事故の遺体は、電気と電気通信が停止し、固定電話さえつながらなくなっていた病院で身元が確認され、そこから搬送された。

AFP通信の記者によると、遺体を乗せた車列が近くの病院から遺族の家に到着したとき、家には数十人が集まっていた。

住民らが棺に米や花を投げていたとき、空に向けて銃が発砲された。

ムインさんの親戚であるファワズ・シュレイティさんは、陸軍兵士だった2人の兄弟を埋葬していた。

「事故が起きたのは、貧しいからだ。アッカールは貧しい地域だ」と彼は話した。

しかし彼は「我々にできることは、血で支払うことだけだ」と付け加え、アル・ダウセの男性の大半が兵士であることを説明した。

自分の肉親にも兵士が8人いる、と彼は話した。

医療関係者によると、今回の爆発で80人近くが負傷し、多くの人がやけどを負い、電気なしで機能するよう努力している病院はさらに困惑した。

疲れ切った医療従事者が新しく入ってくる重傷者に対応したり、焼け焦げた遺体の身元を特定するためのDNA検査を行ったりするのを支援するために、諸外国や国連機関は大急ぎで緊急援助を行っている。重度のやけどを負った犠牲者をトルコに移すために飛行機がレバノン到着にすることになっていた。

600万人以上の人口を抱えるレバノンは貧困率の上昇に悩まされている。国連によると、人口の78%が貧困ライン以下の生活をしている。

レバノンポンドは闇市場での対ドルの価値を90%失い、食料品の価格は最大で400%上昇した。

中央銀行のリアド・サラメ総裁が先週、中銀にはもう燃料補助金を支給する余裕がないと発言した後、レバノンはインフレ率の上昇に備えた。

危機が増え続けているにもかかわらず、ひどく分裂した指導者らはまだ新内閣に合意していない。ベイルート港爆発事故の後、前内閣が総辞職してから1年が経過している。

AFP

 

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