東京：昨年12月に日本を訪れた外国人の数が過去最多となったことが、1月17日発表の公式データで明らかになり、新型コロナウイルスのパンデミックからの急速な回復を印象づける1年の締めくくりとなった。

12月に仕事や余暇のために日本を訪れた外国人の数は273万人となり、11月の244万人から増加したことが、日本政府観光局（JNTO）のデータから判明した。

12月の訪日外国人数としては過去最多であり、パンデミック以前の2019年を約8％上回った。

2023年の1年間でみると、2500万人あまりの外国人が日本を訪れたと、JNTOは述べる。

日本のインバウンド観光は2年以上にわたり停止していた。パンデミックの間、日本は世界屈指の厳格な国境水際対策を敷いたためだ。だが、2022年10月に日本政府が多くの国々に対してビザ不要滞在を再び認めるようになると、観光客数は急速に回復した。

昨年6月以降、訪日外国人数は毎月200万人を超えている。円安により、他国と比べ日本が相対的に安価な旅行先となったことも一因だ。

今年の訪日外国人数は過去最多だった2019年の3190万人を超えると予測される。一方、昨年の訪日外国人による消費額は政府目標の5兆円をすでに達成した可能性があると、旅行業界コンサルタントの訪日ラボでゼネラルマネージャーを務める川西哲平氏は語る。

訪日外国人1人あたりの消費額はパンデミック以前と比べ約30％増加しており、台湾や香港などアジアからのリピート客が消費を牽引していると、川西氏は説明する。

「現在の消費水準はきわめて高い」と、川西氏は述べた。

JNTOによれば、12月の香港、シンガポール、オーストラリアからの訪日客数は過去最高を記録した。

これらの地域からの観光客の増加は、中国本土からの観光客の回復の遅れを補った。2019年のデータでは、訪日外国人の約3分の1、訪日外国人消費額の4割を中国人が占めていた。昨年12月の中国からの訪日数は、依然としてパンデミック以前の56％にとどまっている。

インバウンド観光は日本経済の回復の鍵を握るが、労働力不足が足枷となり、業界は需要についていくのがやっとの状態だ。

「観光業界は限界です」と、日本のプライベート自動車ツアーに特化した高級旅行代理店TokudAwでマネージングディレクターを務めるアウ・ワンピン氏は語る。「経験豊富なスタッフは過労で燃え尽きていて、新人研修の時間もありません」

ロイター