能登半島地震で大きな被害を受けた石川県七尾市と穴水町、志賀町の3市町で27日、一般の災害ボランティアの受け入れが始まった。金沢市内で避難所運営を手伝うボランティア活動は始まっていたが、大きな被害が出た地域では初めて。約80人が家財の運び出しや泥かきなどに当たった。
最大震度6強を観測した七尾市内では寒空の下、17人のボランティアが住宅から泥をかぶった家具や畳を運搬する作業などを行った。東京都から参加した会社員の加藤優希さん(29)は「地震の被害を改めて感じた。自分のできることを精いっぱいしたい」と話した。
液状化により室内に泥が流れ込んだ実家の片付けを依頼した七尾市の川村兼一さん(55)は「とても助かった。泥も重たくて、とても自分だけではできなかった」と感謝の言葉を述べた。
県によると、ボランティアの事前登録は6日に始まり、県内約4000人、県外約1万500人の計約1万4500人が登録した。この中から、27日~2月2日に3市町で活動する延べ約560人を募ったところ、24日の開始から3分で定員に達した。3日以降のボランティアは31日に募集を開始する。
輪島市や能登町など10市町はボランティアのニーズ調査を実施しており、受け入れが可能となった市町から順次募集する。珠洲市ではニーズ調査を開始できていない。道路や水道の復旧が進んでおらず、受け入れのめどが立たない状況が続いている。
時事通信