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日本の地震被災者、水道のない不衛生な環境での苦闘

「水がないので、洗濯も入浴もできない」と、被災した沿岸部の町、珠洲市に住む68歳のビンサキ・ヨシオさんは、家に持ち帰るために20リットル入りの水のタンクを車に運ぶ準備をしながら語った。(AFP)
「水がないので、洗濯も入浴もできない」と、被災した沿岸部の町、珠洲市に住む68歳のビンサキ・ヨシオさんは、家に持ち帰るために20リットル入りの水のタンクを車に運ぶ準備をしながら語った。(AFP)
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31 Jan 2024 05:01:05 GMT9
31 Jan 2024 05:01:05 GMT9

珠洲:日本の西海岸を襲った大地震から1ヶ月が経過したが、被災者たちは凍えるような天候の下で不衛生な状況と戦っている。数万戸でいまだに水道が復旧していない。

石川県によると、孤立した能登半島の一部の地域では、あと2ヶ月は水道が復旧しない可能性がある。これにより人がひしめき合う避難所では健康上のリスクが増しており、県当局は避難者の間で呼吸器感染症や胃腸炎が検出されたと発表している。

「水がないので、洗濯も入浴もできない」と、被災した沿岸部の町、珠洲市に住む68歳のビンサキ・ヨシオさんは、家に持ち帰るために20リットル入りの水のタンクを車まで運ぶ準備をしながら語った。

日本で過去8年間に起きた中では最大の、マグニチュード7.6のこの地震で230人以上が死亡した。4万4,000棟の家屋が全壊または半壊し、4万棟が断水している。石川県によると、1万3,000人以上の住民が避難所で生活しているという。

倒壊した珠洲市の自宅から避難した3児の母、テラシタ・チサさんは、地震直後は手持ちの物資を減らさないために、夫とともにできるだけ水を飲まないようにしていたと話す。現在も家族の健康を保つために水をどうやりくりするかに頭を悩ませているという。

「感染症が急速に広がりやすい季節なので、トイレに行った後の手洗い、消毒は譲れないことの1つ」と彼女は付け加えた。

特に家が破壊され、車の中で寝泊まりしている多くの住民にとっては、厳しい寒さも問題となっている。この地域は先週大雪に見舞われ、当局は土砂崩れの危険性を警告している。

「この生活が当たり前になりつつあるが、きっと乗り切れると思う」とテラシタさんは話した。「いずれにしても、他に選択肢はないので」
公衆衛生の専門家によれば、1995年の阪神・淡路大震災では、インフルエンザの流行や避難所での医療ケア不足もあり、地震後に900人以上の死者が出たという。

石川県当局は、2月1日から避難者へのインフルエンザワクチン接種を開始する予定だ。

1月30日の昼ごろ、約4,800戸がいまだに断水している珠洲市の小学校では、子どもたちがブランコで遊び、地元の人たちは多くの人の命綱となっている共同貯水槽の周りに集まっていた。

夕方になると、住民たちは、救援活動のために派遣された自衛隊員によって学校に設置された仮設の公衆浴場で入浴するために集まった。地震直後、人々が5リットルの水を求めて雨の中1時間も列に並んでいた頃に比べれば、状況は改善されている。

ロイター

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