東京:2月7日、日本北部の島、北海道沖で流氷に閉じ込められたシャチの群れは、無事に脱出したようだと当局者が述べた。環境保護団体からは懸念の声が上がっていた。
6日朝、地元の漁師がシャチ(オルカと呼ばれることもある)のこの群れを発見し、北海道の北西部沿岸にある近隣の羅臼町の職員に報告した。
その後、羅臼町の職員が海岸を訪れ、沖合約1キロの流氷に囲まれた小さな隙間で、約12頭のシャチが上下に揺れているのを目撃した。
自然保護団体が撮影したドローンの映像を分析した結果、13頭のシャチがそこにいることが確認された。
羅臼町職員の白柳正隆氏によると、6日の夕方に再び海岸を訪れたところ、群れは北に移動しており、7日の朝に再び戻ったときには消えていたという。
町の職員は、流氷の隙間が広がったためにシャチは逃れることができたと考えているという。
「無事に脱出できたと思われます」と白柳氏は言った。
自然保護団体が飛ばしたドローンによって撮影された群れの映像は、NHKの全国放送やソーシャルメディア上で公開され、国内外でシャチの状態を案じ、日本政府に救助を求める声が高まった。ある団体は、シャチを救出するために砕氷船を出動させるよう防衛省に要請書を提出した。
このシャチの群れがいたのは日本の領海内だったが、日本とロシアが領有権を争う島からそう遠くない場所であった。日本は7日に、毎年の記念日「北方領土の日」を迎え、ロシアが支配する島々の返還を改めて求めた。
第二次世界大戦の終わりに旧ソ連が日本から奪って占拠したこの島々をめぐる争いは、両国が戦争による敵対関係を正式に終結させる平和条約に調印することを妨げてきた。ロシア政府は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う日本の制裁を理由に、日本政府との交渉を打ち切ると発表した。
林芳正官房長官は7日、記者団に対し、シャチは日本では絶滅危惧種に指定されておらず、日本とロシアがこの問題で連絡を取り合う間、当局者が状況を注視していると述べた。
AP