
ソウル:隣り合う韓国と北朝鮮の関係が過去最悪に達するなか、北朝鮮の国営メディアは、同国の形式的議会が韓国との経済協力に関する法律の廃止を可決したと木曜日に報じた。
北朝鮮が兵器開発計画を加速させる一方で、韓国は米国や日本との軍事協力を強化し、主要な南北経済協力プロジェクトは何年にもわたって中断されている状況となっており、南北関係は極度に冷え込んでいる。
朝鮮中央通信によると、水曜日の最高人民会議の常任委員会総会で、「全会一致の賛成をもって」南北経済協力に関する法律の廃止が決まった。
この最新の決定は、北朝鮮が先月韓国のことを主敵と宣言し、南北統一に特化した機関を解体し、戦争の際は韓国を占領すると脅迫した後に行われた。
議会はまた、かつて南北協力の顕著な象徴であった金剛山観光事業の運営に関する特別法を廃止する計画も全会一致で承認した。
このリゾートは、韓国の現代峨山によって北朝鮮で最も風光明媚な山の一つに建設され、かつては韓国から数十万人の観光客を集めていた。
しかし、通行を許された道から迷って逸脱した韓国人観光客を北朝鮮兵士が射殺したことを受け、2008年にそのツアーは突如終了となり、韓国政府は渡航の停止を決めた。
金剛山リゾートはかつて、韓国企業が北朝鮮人労働者を雇用し、北朝鮮にその労働の対価を支払っていた、現在は閉鎖されている開城工業団地と並んで、二大南北間プロジェクトの一つであった。
韓国政府は、北朝鮮による核実験とミサイル発射を受けて、開城の利益が挑発の資金源になっていると主張し、2000年の南北首脳会談をきっかけに発足したこの事業から2016年に撤退した。
2020年、北朝鮮は対話に関心がないとし、韓国側が費用を負担して設けられた、北朝鮮側の国境にある韓国との連絡事務所を爆破した。
新型コロナウイルス感染症絡みの国境閉鎖が数年続いた後、北朝鮮が儲かる観光事業を再開すれば、現金を手に入れる手段となったであろうが、それは核兵器・弾道兵器開発計画を巡り北朝鮮に課せられた、国際的な制裁に違反する可能性がある。
北朝鮮はロシアとの距離を縮めているが、ロシアもまたウクライナ戦争を巡って世界的な制裁を相次いで受けている。そんな中、ソウルを拠点とするウェブサイトNKニュースは、ロシア人観光客が今月北朝鮮を訪問する予定だと報じた。