
盛山正仁文部科学相は22日の閣議後記者会見で、2026年度の竣工(しゅんこう)に向け海洋研究開発機構が建造中の初の北極域研究船の名称が「みらいII」に決まったと発表した。海洋機構が一般公募で寄せられた7075件の案から選定した。
北極海の観測は1998年以降、海洋機構の研究船「みらい」が担ってきたが、砕氷能力を持たないため、氷のない海域に限られていた。
地球温暖化の影響が顕著に表れる北極海の観測に各国の関心が高まる中、政府は15年に「北極政策」を策定。科学的知見の発信や国際ルール形成への貢献を目標に、砕氷能力を持つ北極域研究船の建造を進めてきた。
新たな船は全長128メートルで、南極観測船「しらせ」(同138メートル)よりも一回り小ぶり。厚さ1.2メートルまでの海氷を砕いて航行できる。気象レーダーなど、船上の観測・研究施設が充実し、海中ドローンの母船機能も持つ。
時事通信