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「命を犠牲にするな」東京オリンピックをめぐり懸念が広がる日本

2020年3月11日、東京にて。2020年夏季五輪の公式の広告を背景に、地下鉄の駅の通路をマスクを着用して歩く男性。(AFP)
2020年3月11日、東京にて。2020年夏季五輪の公式の広告を背景に、地下鉄の駅の通路をマスクを着用して歩く男性。(AFP)
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16 Mar 2020 04:03:52 GMT9
16 Mar 2020 04:03:52 GMT9

東京:日本国内で、東京オリンピックをめぐる懸念が広がっている。予定通りの開催に反対する声が高まり、コロナウイルスによる非常事態の最中にオリンピックの実施を推し進めることで人々の命を危険にさらさないよう関係者に強く求める者もいる。

安倍晋三首相やIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長は、7月24日のオリンピック聖火の点火に向けて準備を継続するよう、繰り返し求めている。

しかしプレミアリーグやNBAバスケットボールといったイベントが取りやめになり、日本のスポーツ試合も中止される中、ドナルド・トランプ米大統領でさえオリンピックの延期を示唆している。

日本国内の症例は、感染者数814人、死亡者数24人と比較的少ない。しかし都内では、海外から流れ込む観戦者に対する懸念の声も上がっている。

インターネット会社に勤めるミウラ コウキさん(27)は、AFP通信に対して次のように語っている。「正直なところ、例え日本が今回の危機を乗り越えたとしても、世界各地からの訪問者は受け入れないでしょうから、開催しない方がいいと思います」

「オリンピックのために、人の命を犠牲にするわけにはいきません」とミウラさんは続け、中止しないのであれば、延期すべきだと主張した。

日本国内の世論は、オリンピック開催に反対する意見が強まっているようだ。日本の公共放送局NHKが3月6日から9日にかけて実施した世論調査によると、予定通りのオリンピック開催に反対する声が45%、賛成は40%だった。

小池百合子東京都知事はオリンピックの中止は「あり得ない」としているが、決定はIOCにゆだねられている。あるIOCの関係者によると、IOCは火曜日に国際競技連盟とコロナウイルスに関する緊急会談を開催するという。

トーマス・バッハ会長は延期の可能性について、IOCはWHO(世界保健機関)の勧告に従うと強調している。その一方でバッハ会長は、資格試合の中止がすでに「深刻な問題」を引き起こしていることを認めた。

3月頭にバッハ会長は、IOCは東京オリンピックの出場資格に関しては「柔軟」に対応するとしており、オリンピックに向けて「すべての選手に準備を継続」するよう促している。

年金受給者のスガワラ マサオさん(90)はAFP通信に対し、「個人的には、トランプ大統領が言うように、オリンピックは1年延期した方が安全だと思います。こんなに混乱しているのですから」

その一方で「もちろん、残念ではありますがね」と認めている。

日本人とドイツ人の親を持つ弁護士のマンフレート・オットさん(45)は、オリンピック試合に「不安を感じる」とし、「慎重に対応すべき」と強調した。

「ウイルスの流行を6月か7月までに抑制できなければ、延期すべきだと思います」とオットさんは語った。
ベッティングオッズは、7月24日に開催式が実施されないとする方が、ますます優勢になっている。ブックメーカーのPaddy Powerは、オリンピックが予定通りに開催されないことに、4-1のオッズをつけている。

世界で6400人の死亡者が出ているコロナウイルスの影響で、国際的なスポーツ試合も次々と予定変更を余儀なくされており、先週は一流選手によるイベントがほとんど開催されなかった。
オリンピックの取りやめは、大急ぎでチケットを購入した東京住民や、予定よりもはるかに早く大半の会場の準備を整え、オリンピックに向けた調整を幅広く称賛された関係者にとって、悲痛な決断となるだろう。

スズキ ヒサヤさん(47)は、日本でもっとも人気のスポーツである野球のチケットを入手したという。

「人生に一度しかないような機会なので、ぜひ息子を連れて行きたかった」としつつも、「マイナスの影響があるのなら、大会は中断した方が賢明かもしれません」とつけ加えた。
スガワラさんは、コロナウイルスの勢いが、スポーツへの思いをしのいだという。

「私は90歳です。戦時中を除いて、これほど不安を感じたことはありません。

AFP

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