能登半島地震で大きな被害を受け、ほぼ全域で断水が続く石川県珠洲市で10日、一部の断水が解消した。解消したのは市役所や一部避難所、総合病院など。避難所の蛇口をひねり、水が出ることを確かめた被災者は「本当にうれしい」と喜んだ。
自宅が半壊し、避難所になった市立上戸小学校に身を寄せる元市職員、藤部富子さん(71)は「感動です。本当に水を大事にする生活をしていたので、もったいないと感じます」と感激した様子。藤部さんは家族の仕事の都合で避難所に残っていたといい、「こんなに長く断水が続くとは思っていなかった」と話した。
同市では地震から2カ月以上たっても、ほぼ全域で断水が続いていた。この日解消したのは、病院などのほか、市中心部の約110世帯にとどまり、依然4500世帯以上で水が出ていない。
断水は避難先から自宅へ戻ることや店舗再開の障壁にもなっており、市は5月ごろまでの全面解消を目指している。
時事通信