


宇宙事業会社スペースワン(東京)は13日午前、和歌山県で小型衛星ロケット「カイロス」初号機を打ち上げたが、発射直後に爆発し、炎上した。打ち上げは失敗した。同社は「飛行中断措置が行われた。現在、詳細について調査中」と発表した。
和歌山県串本町の発射場「スペースポート紀伊」では、午前11時すぎの打ち上げ直後にロケットが爆発し、赤い炎と白い煙が上がるのが確認された。地元の消防によると、けが人の情報はないという。
カイロスは9日に打ち上げ予定だったが、海上警戒区域に船舶が残留したため発射直前に延期。今回は警戒船を増やすなどの対策を取った。
カイロスは全長約18メートル、重さ約23トンで、3段式固体燃料と液体燃料エンジンなどで構成。先端部に内閣衛星情報センターの小型衛星を搭載した。
スペースワンはキヤノン電子やIHIエアロスペース(東京)などの共同出資で2018年に設立。小型衛星をロケットで宇宙に運ぶサービスの展開を目指し、20年代半ばまでに年間20機の打ち上げ目標を掲げる。
当初は21年度中の初号機打ち上げを予定していたが、部品調達の遅れで延期を繰り返した。今回成功すれば、民間単独開発の衛星ロケット打ち上げは国内初だった。
時事通信