
自民、公明両党政調会長は15日、国会内で会談し、国際共同開発する防衛装備完成品の第三国輸出について合意した。当面は英国、イタリアと開発する次期戦闘機に限定して容認。防衛装備移転三原則の運用指針を改定する際に閣議決定し、実際に輸出を決める場合も閣議決定を行う「二重の閣議決定」による手続きの厳格化を確認した。
自民の渡海紀三朗、公明の高木陽介両政調会長の合意を踏まえ、政府は近く運用指針を改定する。
公明が求めていた第三国輸出の「歯止め策」は、対象装備品と輸出先の限定が柱。今回の改定では次期戦闘機のみ認め、他の共同開発品を輸出する場合はその都度運用指針に明記する。
輸出先は、不当な移転などを禁じる「防衛装備品・技術移転協定」締結国とする。現在、豪印比など15カ国あり、このうち「戦闘が行われている国」は除外する。
当初、政府は英伊との開発体制に関する交渉本格化をにらみ、2月中の結論を求めてきたが、公明が大幅な輸出拡大を懸念し協議は行き詰まった。岸田文雄首相は協議レベルを実務者から政調会長に格上げし議論を促していた。
渡海氏は会談後、記者団に対し「両党の考え方を真摯(しんし)にぶつけ合った。今回のプロセスを経たことで国民の理解につながった」と評価。高木氏は「合意をしたからといって説明責任が終わったのではない。しっかり国民に説明していきたい」と語った。
時事通信