国立感染症研究所は20日までに、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について、人から人への感染が国内で初めて確認されたと発表した。患者から医師にうつったが、症状は改善しているという。
感染研によると、医師は20代男性で、昨年4月に体調不良で救急外来を受診してSFTSと診断された90代男性を担当した。医師は患者の死亡後にカテーテルを外すなどの処置を行った。その際にマスクや手袋は着けたが、ゴーグルは着用しなかった。医師は患者死亡から9日後に発熱や頭痛を訴え、検査でSFTSと診断された。
医師と患者のウイルスの遺伝子を分析すると同一と考えられたため、人から人への感染例と確認された。人から人への感染例は中国や韓国で報告があるが日本国内では初という。感染研は、患者の血液が飛散する恐れがある際はフェースシールドで目も防護するなど、感染対策の徹底を医療従事者に注意喚起する必要があるとしている。
時事通信