
【ワシントン時事】山田重夫駐米大使は8日、ワシントンで開かれた米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)主催のイベントに出席した。聴衆から日朝首脳会談について問われたのに対し、「最近の北朝鮮の声明は、彼らが未解決の問題に取り組む準備ができていないことを示唆している」と述べ、早期実現に慎重な姿勢を示した。
北朝鮮は先月、金与正朝鮮労働党副部長や崔善姫外相が日本との「交渉拒否」を宣言した。山田氏は、拉致問題や核・ミサイル問題の解決が「岸田文雄首相にとって極めて重要だ」と述べ、「北朝鮮が歩み寄るなら首相には対話の用意がある」と強調した。
山田氏はまた、10日に行われる日米首脳会談について「中国、特に経済安全保障が重要な議題となる」と言及。両首脳が「率直な対話」を通じた中国との関係安定化について意見を交わす見通しだと述べた。
同席したエマニュエル駐日米大使は、米国が中心となり各国と個別に同盟関係を結ぶ「ハブ・アンド・スポーク」から、同盟国同士も連携する「格子状」へと、バイデン政権が戦略を変えたと指摘。戦略構築に当たり「日本は不変の存在だった」と語った。
JIJI Press