
シンガポール:木原稔防衛相は2日午後(日本時間同)、米国のオースティン国防長官とシンガポールで会談した。4月の首脳会談を受け、自衛隊と米軍の共同作戦能力向上へ双方の指揮統制上の連携を強める方針を確認。緊迫する台湾海峡情勢をにらみ、「南西地域における日米の共同プレゼンス拡大」を申し合わせ、防衛施設の共同使用や共同訓練を拡充する方向性を重ねて共有した。
また、ミサイルの共同開発・生産や米軍艦艇の日本国内での補修など、防衛産業が関わる協力について調整の加速で一致。「核の傘」提供を含む米国の拡大抑止の強化に関して意見を交わし、インド太平洋地域で同志国連携を推進することで改めて合意した。
日米両政府は外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を7月に東京で開く方向で調整中。防衛相会談の結果も踏まえ、指揮統制の連携などについて具体化を図る。
日米首脳は4月の会談で、「より効果的な日米同盟の指揮統制」実現について合意した。日本は今年度末に陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を創設。米側は在日米軍司令部の権限拡大などを検討中だ。
首脳会談では装備面の相互運用性を強化する枠組み「日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS)」の新設も決めた。これを踏まえ、防衛相会談では早期開催へ詰めの調整を行った。
◇日米防衛相会談ポイント
一、指揮統制の連携強化
一、南西地域でプレゼンス拡大
一、防衛産業協力の調整加速
一、拡大抑止の強化議論
一、同志国連携を推進
時事通信