
フランク・ケイン
ドバイ:サウジアラビアは、世界のエネルギー市場での「望ましいバランス」の回復に関して議論するため、石油輸出国機構とその他の石油輸出国の緊急会合を要請した。
サウジの公式通信社が発表した声明によると、世界市場での原油価格の急上昇をもたらしたこの動きは、「このような異常な状況下における世界経済支援のための王国の絶え間ない努力の一部であり、ドナルド・トランプ米大統領と米国の友人たちの要請を評価するものである。」
世界の原油価格はすぐに反応した。 中東の基準であるブレント原油は20%上昇し、1バレル30ドルを上回った。
原油価格は、コロナウイルスの危機による需要崩壊、およびアメリカとロシアの生産者から市場シェアを得ようとするサウジアラビアの決断により、圧力下におかれている。
先月のウィーンにおけるOPEC会議中に、王国は石油生産のさらなる削減実施を提案したが、ロシアは参加を拒否した。
サウジの公式声明によると、「サウジアラビアは、OPEC プラス加盟22か国から支持を得て、過去の石油市場のバランス回復のための努力を強調したかったが、合意に達することやコンセンサスを得ることはできなかった。」
石油業界の専門家であるダニエル・ヤーギン氏は、「これは、需要が劇的に減少したことにより1か月で世界で石油がどれだけ変動したかという認識、そしてドナルド・トランプが個人的に関与するようになったことによる影響を示すものだ。」と述べた。
サウジアラビアの会合要請は、米国、ロシア、および王国間の白熱したコミュニケーションを受けて行われた。
サウジの発表後、トランプ氏はツイッターに投稿したメッセージの中でこう記した。「プーチン大統領と話をしたサウジアラビア皇太子であり友人のムハンマド・ビン・サルマン氏と話をしたところだ。私は彼らが約1,000万バレルかおそらくそれ以上の減産をすることを期待し、望んでいる。これは石油とガス産業にとって素晴らしいものになるだろう。」
しかし、リヤドの当局者は、石油生産レベルの具体的削減へのコミットメントの示唆を重要視せず、OPECとその他の国の「緊急」会合がいつ開催されるのか、また何が議題となるのかについてはまだ示されていない、と述べた。
ウラジミール・プーチン大統領は、石油の価格について皇太子と対話したことを否定した。 ロシアの公式通信社ノボスティは、そのような会話はなかったと語ったが、大統領は他のOPEC加盟国および米国と原油価格の下落について話し合ったと付け加えた。
プーチン大統領は、「アメリカは、シェールオイル産業の利益を懸念している」と述べた。 「これはまたアメリカ経済にとって難しい試練である。」
今週、サウジアラビアは史上最多の1日あたりの原油を生産し、世界最大の石油会社であるサウジアラムコのポンプから1200万バレルが供給された。