
福島県南相馬市の北泉海水浴場が13日、海開きした。昨年8月に東京電力福島第1原発にたまる放射性物質トリチウムを含む処理水の放出が始まって以降、初めての海水浴シーズンとなる。
県は先月、今年海開きが予定されている県内八つの海水浴場について、海水中のトリチウムは検出限界値を下回ったと発表した。
この日は地元神社の関係者が安全を祈願。地元の子どもたちがダンスを披露した後、ステージで高らかに海開きを宣言した。
処理水放出が続く中の海開きについて、家族で訪れた同県田村市の40代の女性は「(国際機関などが)大丈夫と言っているので、子どもたちを海で遊ばせたい」と気にする様子はなかった。昨年も子どもと訪れたという福島市の会社員小浜誠さん(44)は「波が楽しい海。また来たい」と話した。
北泉海水浴場は国内有数のサーフスポットとして知られ、同原発から約30キロに位置。東日本大震災後の2019年、9年ぶりに海開きした。昨年の来場者数は約2万2800人で、震災前の約4分の1となっているという。
時事通信