
東京:13年前のマグニチュード9.0の東日本大震災は、その後の大津波と原発事故で大きな話題となったが、あまり知られていないのは、東京周辺の地盤が液状化し、家屋の基礎が弱くなったり、建物が危険なほど傾いたりしたことだ。
東京ディズニーランドに近い浦安や東京の北に位置する埼玉などでは、この液状化現象によって多くの家屋が大きな被害を受けた。
専門家は、今後30年以内に首都圏やその近郊、あるいは日本の南を縦断する南海トラフ沿いで大地震が発生する確率は70~80%と予測している。そうなれば、状況ははるかに悪化する可能性がある。
『週刊現代』は地盤解析会社『地盤ネット』と協力し、地盤の弱い地域のデータを分析した。その結果、東京の大部分が液状化の影響を受ける可能性があることがわかった。
東京のハザードマップでは、東部と南部の沿岸部のほぼ全域が危険を示す赤い色で塗られている。これらの地域には、銀座や日本橋を含む港区や中央区などの主要な商業地域、東京駅や皇居に近い地域が含まれる。
地盤ネットの伊東洋一副社長は、「これらの地域は地盤が緩んでいるため揺れやすく、標高が低いため浸水の危険性が高い」と指摘する。
これらの地域の多くは埋立地で構成されているが、江戸が首都になる前は湿地帯であったため、東京の奥深い地域も危険にさらされている。東京には多くの河川が流れており、「安全 」と思われている地域でも危険は残っている。
「地盤がしっかりしているように見える住宅地でも、地表の下にはかつての川や谷が血管のように流れています」と伊東氏は言う。「盛土や埋立地がある地域は、地震の揺れや崩壊の影響を受けやすいのです」
地震だけでなく、台風や大雨が弱い土地に問題を引き起こすこともあり、2019年秋に起きた大規模豪雨では、東京周辺の高層マンションや住宅が浸水した。東京が巨大地震で半壊してから101年が経ち、人々はいつ起こるかわからない次の大地震に怯えて暮らしている。