
政府は29日午前、全閣僚を構成員とする「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」(本部長・岸田文雄首相)の初会合を首相官邸で開いた。首相は差別解消に向け、新たな行動計画を策定する方針を示した。
障害者への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であり、社会全体が変わらなければならないと考えるからこそ、全府省庁が参加し、全大臣を構成員とする「障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部」を立ち上げ、以下の指示を行いました。 pic.twitter.com/bjHcb5ouif
— 岸田文雄 (@kishida230) July 29, 2024
同本部は、障害を理由に不妊手術を強制した旧優生保護法は憲法違反だとした最高裁判決を受けたもの。障害者差別や優生思想の根絶を目指し、教育や啓発などの取り組みを強化する。首相は、当事者の意見を踏まえて成果をまとめる意向を明らかにした。
首相は「障害者が受けてきた差別、虐待、隔離、暴力、特別視はあってはならないものだ」と強調。継続中の訴訟に関し、和解のための合意書を締結し早期に解決するよう、小泉龍司法相と加藤鮎子こども政策担当相に指示した。
首相は17日に強制不妊訴訟の原告らと面会した際、差別解消に向けて全省庁による新体制を構築したいと表明。政府は相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」での入所者殺傷事件から8年となった26日、本部設置を閣議決定した。
JIJI Press