
川口:日本の医療機器メーカーが新型コロナウイルス感染者の治療用に動物用人工呼吸器を大量生産するよう日本政府から打診されており、他の国も関心を示しているという。
メトランの新田一福代表取締役会長によると、この打診は先月下旬に行われたもので、米国、英国、インドなど30カ国以上が同社と交渉中だという。
人工呼吸器は、呼吸に苦しむ患者を補助するが、COVID-19、新型コロナウイルスによって引き起こされる肺炎のような病気の影響を最も受けている多くの国で不足している。
米国では、複数の医療機器メーカーが、人工呼吸器の設計を簡素化し、他の仕事を中断して生産量を増やすと述べており、自動車メーカーも人工呼吸器の製造を提案している。ほかの国の話では、スイスの医療機器メーカー、ハミルトンメディカルによると、英国は人工呼吸器の「深刻な不足」に直面している。
非上場企業であるメトランも人間用の人工呼吸器を製造しているが、新田氏によると、同社の動物用機器はよりシンプルで、製造コストは10分の1で、操作も簡単だという。
「パンデミックになると、現場では専門知識を持った医師が足りなくなります。シンプルで安全な機器が、人工呼吸器に慣れていない医師には必要です」と新田氏は、東京の北の川口にあるメトランの工場で最近行われたロイター通信とのインタビューの中で語った。
日本では新型コロナウイルス感染者の数が増え続けており、国の医療システムに掛かる負担に関する懸念が高まっている。公共放送NHKの報道によると、日本では3500人以上、東京では1000人以上が新型コロナウイルス陽性と診断され、85人が死亡している。
政府は3日、感染拡大が最も深刻な地域に対し、重症患者のために病院のベッドを確保するよう命令した。
安倍晋三首相は国会で、政府は重症患者の治療に必要な人工呼吸器を8000台以上確保したと述べた。
新田氏によると、メトランは5000~1万5000台の動物用人工呼吸器を生産するシステムを検討しているが、期限は明らかにしていない。
それにもかかわらず、同氏は、それを上回る需要があると見ており、海外メーカーへの製造ライセンス供与も検討している。
ロイター