広島:79年前の広島原爆投下による犠牲者追悼の式典が行われた火曜日、市民が「オルタナティブ平和式典」を開催した。
この日、広島市が主催した公式の平和式典では岸田文雄首相や広島県知事などによるスピーチが行われた。松井一実・広島市長はパレスチナ代表の招待を拒否したが、イスラエルの大使は招待を受けて出席した。
平和記念式典はこれまで静粛に行われてきたが、今年はイスラエル代表を招いた日本政府と松井市長を非難するデモがあった。デモ参加者は、ガザ地区ではパレスチナ人に対する組織的な大量虐殺が行われていると訴えた。
パレスチナを支持する市民団体は独自の平和イベントを行い、広島市から公式の式典への出席を認められなかったパレスチナの大使を招待した。ワリード・シアム駐日パレスチナ大使はオンラインでイベントに参加し、聴衆に戦争の恐ろしさをあらためて伝えた。
「ガザの残酷な現実に耐えているパレスチナ人として、激しい怒りと、自由への絶え間ない要求をもって皆さんの前に立っています」とシアム氏は述べた。「私たちの存在は、イスラエルによる息もできないほどの抑圧によって損なわれており、私たちが直面している苦しみは、何十年にもわたる暴力的な征服の直接的な結果なのです」
「これは平和だけでなく、正義や自由に関する問題であり、奪われた尊厳や土地を取り戻す問題です。民間人や市民の避難所となっている学校が爆撃され、瓦礫の下で焼かれ、死亡しています。彼らはガザとヨルダン川西岸に対して毎日大量虐殺を行っているのです」
シアム氏は広島への原爆投下の恐ろしさを、パレスチナにいる彼の国民の苦しみと関連づけた。「広島の被爆者たちが言いようのない恐怖を目の当たりにしたように、私たちもまた、私たちを消そうとする容赦ない攻撃による傷を負っています。平和の象徴である広島市が、犠牲者を排除しつつ、抑圧者とその支持者に乗っ取られることを選んだことに、私たちは深い失望と不満を表明します」
「(公式の式典への)招待状は私たちの苦しみを永続させる人々に送られており、私たちの声の不在は広島が掲げる正義の原則そのものを損なうものです。大量虐殺、民族浄化、戦争犯罪の歴史を持つ偽善者のために神聖な式典を行うべきではありません」
火曜日の広島の気温は35度を超えた。夕刻に開催された代替の平和記念式典では、平和式典からの排除は1930年代の反戦運動を打ち砕いた時と同じような権威主義的な態度だと訴える声もあった。「イスラエルと岸田を平和の式典に招待するな!」「反戦反核運動を止めるような圧力は許さない」という垂れ幕も掲げられていた。