東京:日本のベテラン政治家である鈴木宗男参院議員は、日本は米国の対ロシア制裁に従うことで自らを害していると考えている。鈴木氏は7月末にモスクワを訪問し、ロシアの高官と一連の会談を行ったが、日本政府から処分を受けることはなかった。
鈴木氏は記者会見で日ロ関係改善の方策について問われ、「3年前、ウクライナ問題が始まった5月、バイデン大統領は経済制裁すれば、ロシアは2カ月でギブアップだと言われた。結果はどうなったか? ロシアの経済力は伸びている。経済制裁の意味はなかった。やめたほうがいい。これが一番の解決策だと思っている」と述べた。
また制裁措置は、鈴木氏の出身地であり、ロシアとの関係が最も強く最大の問題を抱える北海道にも影響を与えている。北海道に近い日本の北方領土は、第二次世界大戦末期にロシアに占領されており、日本は島の返還を望んでいるが平和条約は締結されていない。「北海道のみならず日本全体に言えることは、原油価格が上がるから、すべての物価が上がっている。世界的な傾向でもあるが、エネルギー資源がない日本にとっては顕著。ウクライナ問題が収まれば、日本の場合は物価が下がる。油の値段が下がれば、すべての値段が下がる」
鈴木氏によると、ロシアからの「配慮」のおかげで、日本には今もロシア産の石油や小麦、水産物を入ってきているという。彼は、岸田首相は米国の破壊的なアプローチに従うのではなく、ロシアに対して建設的なアプローチを取るなら、ロシアの態度は日本にとってはるかに柔軟であり、停戦交渉につながる可能性があると考えている。鈴木氏は、日本のアプローチをめぐり岸田氏と話をしたことを認めた。またプーチン大統領からのメッセージを外務省に伝えたが、日本の立場に変化がなかったことを残念に思っている。
「プーチン大統領は、もし日本が窓を開けて欲しい、話し合いの場を作って欲しいと言うなら、受ける用意があると述べた。私はこの言葉を聞いてとても安心した。にもかかわらず、日本は動かなかった。私は外務省へ報告し、日本は手を打つべきだと言ったが動きはなかった。残念ながら、日本の今の外交力は乏しいと受け止めた」
その後、鈴木氏はジェームズ・ベイカー元米国務長官の著書「シャトル外交激動の四年」に言及し、日本の外務省員に推薦すると述べた。「この本の中で、1インチたりともNATOの東方拡大はしないと西側の首脳たちが明確に言っている。しかしNATOはだんだん拡大していった」