
東京:日本の検察当局は火曜日、世界最長服役の死刑囚である袴田巌氏の先月の無罪判決について、控訴しない意向を示した。
妹の尽力による正義を求める長い闘いの末、裁判所は先月、88歳の袴田氏に46年間もの間、死刑執行を待つ間、主に独房監禁状態で過ごさせた4件の殺人容疑について、同氏に無罪判決を下した。
東京郊外の静岡の裁判所は、警察が証拠を改ざんしたと判断し、元ボクサーは「自白を強要する非人道的な取り調べ」を受けたと述べた。
袴田氏は1968年に、上司とその妻、10代の子供2人を強盗殺害した罪で有罪判決を受けた。
日本の最高検察官である畝本直美氏は声明で、袴田氏が「長きにわたって法的にも宙ぶらりんの状態に置かれていた」ため、静岡地裁の判決を不服として控訴しないことを決定したと述べた。
「… 熟考の末、この状態をこれ以上長引かせることは適切ではないと判断した」と、畝本氏は述べた。
しかし、同氏はまた、静岡地裁が証拠が捏造されたと認定したことについて、検察官は「深く不満」であり、その結論は論理的に欠陥があると述べた。
同裁判所は、警察が血痕を衣服に塗りつけ、それを犯罪現場に仕掛けたと認定した。
「この判決は絶対に受け入れられるものではなく、控訴に値するものである」と、畝本氏は述べた。
日本と米国は、死刑制度を存続させている唯一の2つの主要先進国である。日本では国民の支持が根強く、廃止に向けた議論はほとんど行われていない。
袴田氏は2014年に再審が認められ、刑務所から釈放されたが、法的な争いにより手続きは昨年になってようやく開始された。
彼は、戦後の日本において再審が認められた5人目の死刑囚である。過去4件の再審無罪判決もすべて冤罪によるものだった。
何十年にもわたる拘禁、その大半は独房監禁で、常に死刑執行の恐怖にさらされていたことが、袴田氏の精神に大きな負担を与えた。
彼の弁護士や支援者たちは、彼を「空想の世界に生きている」と表現している。
また、日本の死刑執行の方法も批判されており、受刑者は早朝に、絞首刑執行の数時間前に迫った死刑執行を伝えられることが多い。
しかし、日本の新法務大臣である牧原秀樹氏は先週、死刑制度を廃止することは「不適切」であると述べた。
アムネスティ・インターナショナルは、昨年12月に115人が死刑囚であったとして、先月の死刑廃止判決を受けて日本に呼びかけた。
AFP