
林芳正官房長官は30日の記者会見で、国連の女性差別撤廃委員会が女性皇族による皇位継承を認めていない皇室典範の改正を勧告したことについて、「大変遺憾であり、委員会側に強く抗議し、削除の申し入れを行った」と明らかにした。
林氏は「皇位継承のあり方は国家の基本に係る事項であり、女性に対する差別の撤廃を目的とする女子差別撤廃条約の趣旨に照らし、委員会が皇室典範について取り上げることは適当ではない」と指摘した。
立憲民主党の野田佳彦代表も同日、記者団に「皇統を途絶えさせないための議論は急がなければいけないが、国連に言われて進めるものではない」と語った。日本維新の会の馬場伸幸代表も「(勧告は)理解しにくい」と反発。国民民主党の玉木雄一郎代表は「わが国自らの意思で決めていくことだ」と強調した。
一方、同委が選択的夫婦別姓制度の導入に向けた法改正を求めたことに関し、林氏は「国民各層の意見や国会における議論の動向を踏まえ、適切に対応していく」と述べるにとどめた。
時事通信