東京:新人議員の日野さりあ氏は月曜日、日本の国会史上最多の女性議員として議席に着いたが、先の選挙戦中、有権者から「お子さんの面倒は誰が見るのですか?」と尋ねられたという。
4人の子を持つ日野氏は、10月の選挙で465議席ある衆議院に当選した73人の女性議員の1人となった。これは過去最多ではあるが、16パーセントという少数派であることに変わりはない。
中部の愛知県で当選した36歳の彼女は、子育てや介護の「最前線からのメッセージ」を届けるという使命を担っている。
「子どもの成長に対する責任は、親だけに負わせるべきではありません」と、野党・国民民主党から当選した日野氏は言う。
「私自身が圧倒的な量の情報をもとに、保育園や介護施設で何が起こっているのかを踏まえて政策を立案したい」とAFPに語った。
日本はモナコに次いで世界で2番目に高齢化が進んだ国であり、出生率は数十年にわたって低迷している。
女性が子供を産む数を減らす傾向にある理由は様々で、生活費の上昇や、働く母親が家事や育児、親族の介護などの負担を依然として担うべきだという期待感などが挙げられる。
月曜日に予定されている国会での投票後、少数与党を率いることになる見通しの石破茂首相は、新生児の減少を「静かな緊急事態」と呼び、柔軟な就業時間などの施策を推進することを約束している。
また、前任者の岸田文雄首相も迫り来る人口動態の危機に警鐘を鳴らし、育児休暇制度の拡充や家族への財政支援を打ち出していた。
日野氏は、保育園の数は増えているものの、労働力不足により保育士の労働環境は厳しいと指摘した。
「同様に、最近政府が決定した介護施設への助成金削減により、介護士の労働環境はすでに厳しい状況にあり、さらに悪化している」と日野氏は述べ、介護士が仕事を辞めざるを得なくなるリスクがあると警告した。
女性リーダーは政治の世界ではもちろん、日本ではビジネス界でも珍しい。世界経済フォーラムが2024年に発表した「世界ジェンダーギャップ報告書」では、日本は146カ国中118位だった。
野田聖子氏や橋本聖子氏といったベテラン女性議員は、深夜近くまで議論が続く議会で母親と国会議員の両立が難しいことを強調している。
選挙の候補者全体に占める女性の割合はわずか4分の1であり、女性は今でも公然と性差別的な中傷にさらされることがある。
麻生太郎元副総理は今年、当時外務大臣であった上川陽子氏を「新星」と呼びながらも、「それほど美人ではないおばさん」とも表現した。
また、2021年の内閣府調査によると、女性選挙候補者の4人に1人が選挙運動中にセクハラ被害に遭ったと答えている。
東京地区で選出された68歳の医師、いのくち幸子氏は、自身の所属する日本イノベーション党が、男女の不均衡を改善するために、議員向けの子守サービスを立ち上げたことを語った。
いのくち氏は、「少子高齢化社会の望ましくない影響を後世に残したくない」として、日本の母親への支援を強化したいと考えている。
石破氏の保守政党である自由民主党(LDP)とその連合政権は、10月27日の選挙で2009年以来初めて過半数を失った。
当選した自民党の議員、向山じゅん氏は、選挙戦で誰が自分の子供の世話をしているのかという同じ質問を受けた。「男性候補には聞かれない質問だ」と、40歳の向山氏はAFPに語った。
彼女は商社で13年間働いたが、不妊治療を受けていた時期に夫の仕事の都合で米国に移住したため、30代前半で退職した。
「その時、私は『もし子供を持てないのなら、子供にとって素晴らしい社会を作りたい』と思った」と彼女は語り、政治家になることを決意した。
彼女は自民党の「現実的な安全保障政策と政府運営能力」に惹かれた。
しかし、党の政策立案には「多様性が欠けている」と感じており、それを変えたいと思っている。
向山氏は、議員としての最優先事項は、疲弊し過疎化が進む日本の地方コミュニティの再生であると述べた。
しかし、日野氏やいのくち氏と同様に、仕事と家庭の両立に苦労している人々の声が確実に届くようにしたいとも考えている。
AFP