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日本最年少の女性議員、GCCとのさらなる連携を提唱

(ANJ)
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18 Oct 2023 05:10:15 GMT9
18 Oct 2023 05:10:15 GMT9

マナール・エルバス

ドバイ:日本最年少の女性国会議員で自民党党員の英利アルフィヤ氏は、トルコにルーツを持つ日本人の政治家である。当選後初の外遊中、同氏はアラブニュース・ジャパンと座談し、政治の多様性や日本とGCCの関係について話ってくれた。

英利氏は1988年、ウイグル系日本人の父親とウズベク系日本人の母親の間に生まれた。以前は国連で人権問題を担当していた経歴を持ち、今年4月、千葉県第5区から衆議院議員に選出された。 

10月13日、自身の選挙区である市川市で収穫される梨をPRするため、選挙後初の外遊の一環として初めてアラブ首長国連邦(UAE)を訪れた。

 「(この旅は)多くの点で象徴的です。市川市は(UAEと)10年にわたる関係を築いています。国際関係を拡大できることは名誉なことですし、今回JAさんと同行できて光栄です」と語った。 

 「私はイスラムの文化の中で生まれ育ったので、それを自分の国である日本と結びつけることができて大変光栄に感じています」と続けた。

英利アルフィヤ氏(左)、鹿児島きもつき農協組合長の下小野田寛氏(中央)、梨を栽培している農業協同組合「JAいちかわ」組合長の今野博之氏(右)。(ANJ)

英利氏はUAEと日本の間に非常に多くの類似点があると指摘した。「両国ともリーダーであると思います。テクノロジーのリーダー、両地域を前進させるリーダー、同時に伝統を守るリーダー。協力できることがたくさんあります」

サウジアラビアと日本の関係について、非常に期待しており、両国間の連携を心待ちにしていると述べた。「2030年に向けた日・サウジのアジェンダがあり、金融や異業種でのパートナーシップを拡大するために複数の覚書に署名しました」

「日本は中東の友人としてさらに大きな役割を果たすことができると思います……その関係がさらに発展してゆくことを期待しています」と付け加えた。

英利氏は常に女性の権利の擁護者であり、その顕著な業績を通じて、世界中の多くの若い女性を政治の分野に挑戦するよう促してきた。同氏は最近、タイム誌の世界で最も影響力のある「次世代の100人」に選ばれた。

政界に足を踏み入れるサウジ女性へのアドバイスとして、英利氏は真剣に打ち込めば成功できると信じている。「今、女性にも門戸が開かれつつあります」と述べた。

さらに、女性の政治参加という点でサウジアラビアがとてつもない進歩を遂げていることを認識していると付け加えた。「私は専門家ではありませんが、サウジアラビアはあらゆる分野において女性の参加に関して前進しています」と述べた。「両国がお互いから学び、協力し合うことを期待しています」

英利氏は日本で最年少の女性国会議員であるだけでなく、トルコにルーツを持つ初の女性国会議員でもある。

「外見が似ていて、同年代で、女性で、同じ文化的アイデンティティを持つ人はまだほとんどいません」と語った。

「国会には同じような人がまだいないので、自分の意見が少数派であると感じることがよくあります。でも選挙区に戻ると、ほとんどの人が私の考えに賛同してくださるのです」と付け加えた。

日本の国会で初のトルコ系女性議員となった英利氏だが、意外にもこれまでのところ、自分のアイデンティティに関して難しい問題に直面したことはない。「憂慮すべきことの1つは、匿名アカウントからオンライン上で女性に対して差別的で暴力的な言葉が増えていることだと思います」と述べた。ただ「選挙活動と仕事の両方において、リアルの場でそれを経験することはめったになく、それは心強いことです」

さらに、自民党の一員であることを非常に誇りに思っており、日本国民を代表している党であるからこそ選挙で過半数を占めて当選したと述べている。

「自民党は必ずしも一連の政策によって一致しているわけではありません。言論の自由、思想の自由、アイデアの自由な表現を高く評価するアイデンティティによって一致しているのです」と語った。「私たちが表現する考えやアイデアには常に多様性があります」

しかし同時に、日本の政界は依然として男性が主体であり、平等を達成するためにもっと多くのことができると認識している。「自民党は、2030年までに党の候補者に占める女性の割合を30%にするという目標を掲げました。率直に言って、30%はかなり低い……50%を目指すべきだと思います」と説明した。

前向きな面としては、日本では近年各党で女性候補者数が増加していると述べた。「女性に限らず、幅広いアイデンティティや背景が日本の政治に反映されています。今後もそれが続くことを願っています」

また英利氏は、市川市だけでなく浦安市の代表でもある。両市の優れた多様性と進歩性に愛着を抱いていると語った。「ミレニアル世代、Z世代、そして80代と90代で活躍する高齢者たちからなる膨大な人口は活気に満ちています」と語った。

「多くの点で非常に進歩的であるだけでなく、日本の伝統的な価値観を含む、さまざまなライフスタイルや価値観を受け入れる都市を代表させて頂いている」と付け加えた。

政治家としての現在の焦点は、女性問題の主流化である。同氏は東京から市川・浦安を毎日行き来している。最近は女性だけのタウンミーティングに出席し、女性の問題に耳を傾け、ワークライフバランスや教育など多くの問題に関する地域住民とのコミュニケーションに時間を費やしている。

「より多くの人々の声を反映し、その顔が見えるような日本の政治世界を構築しようと努力しています」と説明した。

また、女性問題の主流化を進めるために、GCCと日本の女性議員たちがもっと連携していくことを望んでいると付け加えた。「私たちが一緒にできるプロジェクト、おそらく、経験している苦労についての交流やセミナー、アイデア交換を楽しみにしています」

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