東京:ヨルダンと日本の国交樹立70周年を祝し東京で開かれたレセプションでヨルダンのエル・ハッサン・ビン・タラール王子がスピーチし、「被爆者」として知られる日本の原爆生存者らから影響を受けたと述べた。被爆者団体は今年ノーベル平和賞を受賞した。
ハッサン王子は王族や外交官、政治家、政府高官などが集う中、原爆の生存者らから感銘を受けたことについて言及した。「重要なのはなにかを被爆者の方々が思い出させてくれたことに、心から感謝する。重要なのは、世界のさまざまな場所で、何百万もの人々と彼らの尊厳が踏みにじられていることです。次の70年も両国の関係を続けていくためには、その関係は人間らしいものであるべきだということをお伝えしたい」
高円宮妃久子さまはヨルダン訪問を懐かしく思い出すとともに、ハッサン王子の平和のメッセージに同調した。「70周年にあたり、ヨルダンと日本の人々の友好関係をさらに深める良い機会になることを願い、両国だけでなく世界全体のために平和で豊かな未来を共に追求することを祈る」
王子は、人類が直面する最も懸念される課題は「意図的な危機」の課題だと述べ、ハマスのイスラエル攻撃を嘆く一方、ガザ地区の人々だけでなく、占領下にある西岸地区の人々にとっても、人道危機はますます悲惨なものになっていると述べた。
王子は聴衆に対し、ガザのパレスチナ人が汚染された農業用井戸に頼らざるを得ない様子について語った。ハマス攻撃の前でさえ、ガザ地区の淡水資源の97%がイスラエルの封鎖と繰り返される爆撃によって汚染されていた。王子は、戦争が始まった最初の月に3万3000人のパレスチナ人が死傷し、201人の医療従事者が死亡、87台の救急車が損傷し、77の医療施設が閉鎖され、135の医療施設が攻撃されたことを聴衆に思い出させた。
被害は甚大だが、イスラエルは核保有国であり、状況はさらに悪化する可能性があることを聴衆に訴えた。
王子はヨルダンが受け入れた数百万人の難民について次のように語った。「比較的安定しているため、53の異なる国籍の人々が押し寄せている。これらすべての人々の共通点は、人間の尊厳の喪失です」
ヨルダンのシャルゲ·ダファイヤーズ暫定代表のアリ・アル・アラビヤット臨時代理大使も、この地域に影響を及ぼしている悲劇に言及した。しかし平和が訪れる日を願い、日本の支援に感謝しつつ次のように述べた。「私たちの強力なパートナーシップを振り返る一方、私たちの地域で進行中の課題についても認識しなければならない。イスラエルの侵略によって引き起こされたガザやレバノンの人々の苦しみは、私たちの地域の安定と国際平和に大きな影響を与えている。ヨルダンはこの戦争の終結に向けて努力を惜しまないし、イスラエルが引き起こした人々の苦しみを軽減するために努力します」
「私たちは、パレスチナ人の自己決定権と、彼らの国土にパレスチナ国家を樹立するという不可分の権利を主張し続ける。日本のような友人やパートナーと共に、共同の努力によって、平和と調和のとれた未来に向けて努力することができ、私たちの地域、そして実際に世界中のすべての人々が、然るべき尊厳、平穏、繁栄を享受できるようになるだろう」